【野生動物の宝庫】北海道知床周辺を探索【2019年秋】
日本が誇る世界自然遺産の1つ、知床の大自然を満喫してきたのでそこで出会った生き物たちを紹介します。
知床の秋は生き物が多い季節ではありませんが、紅葉が非常に美しく、食事もおいしいかったです。
また、カラフトマスやサケが遡上し、ヒグマがそれを狙う時期でもあります。
ヒグマ


知床半島はヒグマが高密度で生息していることで有名で、特にウトロや羅臼のさらに北に行くと、高確率でヒグマが確認できるポイントもあります。
今回はイワウベツ川の下流でヒグマを発見しました。

カラフトマスやサケを狙って川に入っていきます。

かなり深くて流れが強いところにも入っていきます。

獲物を捕らえました。

時には海まで行きます。
イワウベツ川はヒグマの撮影スポットとして有名ですが、同時に、撮影するために路上駐車した観光客の車があふれ、車の行き来を阻み、通行車に迷惑をかけていました。観察するときは必ず迷惑にならない場所に車を停め、迷惑にならない場所で観察するようにしましょう。
また、ヒグマは遊歩道や路上にもたまに姿を現します。
そうした際、近づくのはもちろんのこと、焦って逃げることも襲われるリスクにつながります。知床に行く際はヒグマの危険性についての知識をしっかり持ったうえで行くようにしてください。
知床でのヒグマの見つけ方は、別途「エゾヒグマの生態と見つけ方」にて解説しています。
エゾシカ

北海道はエゾシカ(ニホンジカの亜種)の楽園とも言われ、特に道東ではエゾシカと車の事故が後をたちません。
それは知床でも同じで、今回もいたるところでエゾシカに遭遇しました。
こちらは知床自然センターの遊歩道で出会ったエゾシカたち。
前を歩いていて、こちらが止まると同時にエゾシカたちも止まり、こちらを振り向いて待っていてくれました。まるでエゾシカに導いてもらっているような、ファンタジックな気分でした。

道路上でもしょっちゅう出くわしました。
特に知床横断道路で良く出会いましたが、意外と逃げるのが遅かったり、車の前を横断したりしてきます。
夜は気づくのが遅れがちなので、スピードを抑え、注意しながら運転しないとひいてしまうリスクは高いと感じました。

野付半島にて、立派な角の雄。

野付半島の海岸のすぐそばで休んでいた雄。
ニホンジカは北に行くほど体が大きくなることが知られ、エゾシカはニホンジカの中でも最大級です。奈良の鹿に見慣れていても見る価値はあると思います。
キタキツネ

北海道でいたるところで見られたのがキタキツネです。
山の中の道路や、町のすぐ脇にも出没していました。
1匹で行動していたことがほとんどでしたが、2匹が連れ添っているのも一度確認しました。

キツネはかわいいですが、エキノコックスに寄生されていることがあり、非常に危険です。
近年、野生のキツネに餌を与える観光客が多いそうですが、それに味をしめてキツネが人に近づいていくケースが増えています。そういったキツネは自力で餌をとる能力が欠け、交通事故のリスクも増します。さらにエキノコックスを人に移してしまう危険性もあるので、キツネへの餌やりは絶対にやめましょう。
エゾシマリス

知床自然センターの遊歩道で発見。
森の静寂の中で、カサカサ音に耳を澄ませていたら、足元に現れた個体です。
もう冬眠している時期だと思っていたので、予想外の出会いでした。
エゾリス

非常にすばしっこく走り回っていたので、シャッターに収めることが難しく、だいぶぶれてしまいました。
エゾリスは冬眠せず年中見られるリスで、北海道に生息しています。
帰りに少し寄った、札幌の円山公園では公園のいたるところで観察できました。
エゾアカゲラ

北海道版アカゲラ。
知床はもちろん札幌でも見られました。
普通種のキツツキで、頭が赤くないことから雌であることが判断できます。
キツツキ類は、木を突いている時に、コツンコツンと特徴的な音が響くので見つけることができます。
オオハクチョウ

野付半島にいたオオハクチョウと子供。
オオハクチョウに似た種類にコハクチョウがいますが、くちばしの黄色部が鼻孔の先に来ていることでオオハクチョウであることが確認できます。
また幼鳥は体は大きいですが、まだきれいな白には程遠く、くちばしの黄色もありません。
カラフトマス

オンネベツ川の河口付近に大量にいたカラフトマス。
みな上流に向かって一生懸命泳いでいました。
中にはここまでの努力で、体が傷ついて、白くハゲてしまっていた個体もたくさんいました。

かなり大きい個体もいて、手が届きそうなところに1m近い個体が泳いでいると圧巻でした。
オオセグロカモメ

オオセグロカモメは知床の海辺に大量に見られました。
こちらのカモメたちは相泊付近の港にたむろしていました。
北海道では年中見られるほか、冬には越冬のため、本州にも現れるそうです。
通常のセグロカモメより大きく、近づくとかなり存在感がありました。
その他

トガリネズミの仲間。
知床自然センターの遊歩道で死んでいました。
他にも羅臼の遊歩道で目撃したりしました。意外と数が多いのかもしれません。

オニグモの仲間。おそらくキバナオニグモ。
北海道ではあちらこちらでかっこいいオニグモに出会えて良かったです。
この個体はちょっかいを出したら丸まって、すぐに走り出しました。



ナミテントウ。
北海道の牧場などあらゆるところで大量に見られました。

カワガラス。
川の上流、下流、神の小池にもいました。
川に棲む鳥で、川底を歩くこともできるそうな。

メノコツチハンミョウ。
ハンミョウと名が付きますが、ハンミョウと近い種というわけではありません。
色はきれいですが、何とも言えない奇妙なフォルムをした虫です。
秋に発生する虫で、知床の遊歩道ではそこらじゅうで歩いていました。
危険を感じると毒液を出すそうなので注意。
まとめ
今回ご紹介した以外にも鳥類や昆虫がたくさん見られました。
最低気温1℃の日もありましたが、寒さに負けず、生き物たちが活発に行動していました。
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