【アマミノクロウサギ】奄美の夜の生き物を探す方法【自然遺産】

夜に出会ったアマミノクロウサギ
夜に出会ったアマミノクロウサギ

世界自然遺産である奄美大島にはたくさんの生き物たちが高い密度で生息しています。

奄美大島の代名詞でもあるアマミノクロウサギや、日本一美しいカエルとも言われるアマミイシカワガエル、日本一危険なヘビであるハブなどが奄美の生き物の代表格です。

せっかく奄美大島に行くからには彼らの生きる姿を見るべきです。(もちろんハブには出会わないほうがよいですが、、)

奄美の森の生き物たちの多くは夜に活発に活動するため、観察は夜がおすすめです。

そのため、アマミでは夜の生き物観察ツアーがあります。

もちろんツアーで行けば親切な解説もありますし、アマミノクロウサギを見られる確率も高いと思います。

しかし、私は一週間かけて毎晩奄美の夜の森を散策してきたので、ここでは奄美の夜の生き物を観察するための私なりの方法をお伝えしようと思います。

よかったら参考にしてみてください。

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奄美大島の夜にはどんな生き物と出会えるの?

リュウキュウコノハズク
リュウキュウコノハズク

夜の奄美大島で出会える生き物の種類は多岐にわたります。

夜の森は生き物で溢れかえり、路上には天然記念物であるアマミノクロウサギや巨大なヘビであるアカマタハブが出現します。

ところどころで様々なカエルの姿が見られ、オットンガエルアマミハナサキガエルアマミイシカワガエルなどが餌を探しており、アマミヤマシギもミミズを探しています。

アマミイシカワガエル
アマミイシカワガエル

フクロウの鳴き声を追ってみると、リュウキュウコノハズクの若い個体が親から餌をねだっている姿が見られます。

木の幹では巨大な顎を持つアマミノコギリクワガタが樹液をすすります。

道の脇の池を除くと大量のシリケンイモリで溢れ、オオウナギコガタノゲンゴロウが悠々と泳ぎます。

シリケンイモリの幼生
シリケンイモリの幼生

小さな水たまりではリュウキュウカジカガエルが群れており、ライトを消すと近くの葉の上でキイロスジボタルが美しく光ります。

上にあげたのはあくまで理想像の一例ではありますが、私がこの目で見たものでもあります。

さらに、ここで示した生き物以外にもたくさんの種類と出会っています。

奄美大島の夜に出会える生き物については書ききれないので別の記事でまとめようかと思っています。

奄美大島の夜の生き物観察方法

夜の生き物を観察するには夜に森に行くのが一番です。

もちろん森には危険がいっぱいですので、リスクマネージメントについてはのちにご説明しますが、まずはどのように観察するのがよいかご紹介します。

①生き物を探す方法

夜の森
夜の森

生き物を探すのに森が良いと言っても、もちろん森の中に踏み込むのはやめたほうが良いです。

夜は視界が悪くなるうえ、奄美最恐の危険生物であるハブが活発に活動するからです。

基本的には足元がよく見える整備された路上での生き物探しをお勧めします。

探し方としては、車に乗って、夜の森でゆっくり運転しながら路上やその脇にいる生き物を頑張って見つけるという、それだけです。

アマミノクロウサギアマミヤマシギリュウキュウイノシシ、各種ヘビカエルの仲間はしばしば路上に姿を見せるため、それだけで十分にたくさんの生き物が観察できるというわけです。

特に奄美大島ではアマミノクロウサギの天敵であるハブが駆除対象になっており、道路沿いのハブが駆除されて数が少なくなり、その分天敵を避けたアマミノクロウサギが道路沿いに集まっているようで、夜の路上では高確率でアマミノクロウサギが観察できました。

車から見たアマミノクロウサギ
車から見たアマミノクロウサギ

アマミノクロウサギをはじめとして、生き物たちは動かないと意外といても気が付きません。

間違っても生き物を轢き殺さないように、前をよく見てこれ以上ないほどゆっくり運転しましょう。

また、時には車から出て路上を歩いてみてください。

鳥の鳴き声が聞こえれば、高い確率で近くにリュウキュウコノハズクがいます。

木の上を探してみましょう。

運が良ければケナガネズミや寝ている鳥なんかが見られることもあります。

たまには路上脇の側溝なんかものぞいてみましょう。

水が溜まっていればシリケンイモリがいるかもしれません。

さて、肝心の場所についてですが、マテリヤの滝やフォレストポリスのあたりが道の舗装もされており、道幅も広く、アマミノクロウサギなどの生き物も出てくるため、安全な観察に適しているかなと思います。

奄美の山中では舗装されていない道も多く、レンタカーで入ると故障などにもつながりかねないため、広く舗装された道路を選んで観察するようにしましょう。

②生き物の観察方法

ヒャン
ヒャン

見つけた生き物の観察方法についてですが、基本的には車の中、もしくは車から出て触らないように観察しましょう。

しっかり調べたうえで触るのであれば問題ないですが、ハブなどの毒ヘビだったり、毒がなくても噛んでくる生き物もいます。

また、奄美大島では自然などを保護している地域が多く、生き物の捕獲が禁じられているエリアがあります。

さらに、保護区外だったとしても、天然記念物となっている生き物たちは接触が禁じられているため、例えばアマミノクロウサギに触ろうものなら、文化財保護法違反になってしまうんですね。

車から出て観察する場合には、必ず邪魔にならないところに車を停めて観察するようにしましょう。

狭い道でも、少なくとも車が通れる余裕をもって停車しましょう。

③必要な道具

奄美大島の夜に生き物を観察するために必要な道具としては、最低限必要なものはライトくらいです。

可能な限り明るいライトを使うと、生き物と出会う確率が上がり、観察効率も上がります。

ヘッドライトを使うと両手が空いて撮影などもしやすいです。

ただし熱を帯びて熱くなります。

ライトだけ明るくても視力が悪いと生き物を見つけることはできないので、コンタクト眼鏡で視力を高めておいたほうがいいです。

あとは見つけた生き物を撮影するデジカメがあるといいでしょう。

私がいつも使っているデジカメ(安い、望遠機能あり、接写可能)はこちらの記事で紹介しています。 ⇒ 大自然の撮影におすすめのカメラ【PowerShot SX720HS】

あとは足としてレンタカーを借りておかないとかなりだるいでしょうね。

ハブや虫対策として、長靴虫よけスプレーがあるとなおよしです。

奄美大島の夜の散策の危険について

奄美大島にはクマが生息していないため、個人的には本州より夜は安全だと思っていますが、ハブなどの危険も多いため、しっかりリスクマネージメントをしたうえで生き物を探しましょう。

①人や車

森の中の路上では当然ひとけはなく、もし人に襲われたら誰も助けてはくれません。

また、生き物を探してよそ見をして他の車とぶつかったりなどの事故にも注意しましょう。

②ハブの仲間

奄美大島で出会ったハブ
奄美大島で出会ったハブ

奄美大島には毒蛇が多いです。

代表格としては超危険なハブ、小さいけど毒持ちのヒメハブがあげられます。

他にも危険性はほぼないものの、ガラスヒバァヒャンといった毒蛇が生息しており、彼らはみな夜に活発に行動します。

ヘビの種類を見分ける自信があればよいですが、種類を見分ける自信がない方はヘビを見つけたら近づかないようにしましょう。

特にハブの攻撃範囲は1メートルとも言われ、接近は大変危険です。

奄美大島のヘビについてはこちらの記事でもまとめているので良かったら参考にしてください。 ⇒ 奄美大島のヘビ全8種【世界自然遺産】

③イノシシ・犬

超危険なクマはいませんが、イノシシやノイヌなどは山の中に生息しており、万が一襲われたら危険ですので、大型の哺乳類を見つけたら車から出ないで観察するようにしてください。

大抵は向こうが逃げていきますが、、、

④虫

アマミサソリモドキ
アマミサソリモドキ

奄美大島では(奄美大島に限らないですが、)危険な虫もたくさんいます。

病気を媒介するマダニや、、強い毒を持つハチムカデなど、人に危害を及ぼす虫は数知れません。

路上を歩いている分にはリスクは低いですが、虫よけスプレーなどで対策しておくと安心かもしれません。

また、奄美大島にはアマミサソリモドキというサソリによく似た虫がいます。

その名の通り、サソリに似ていますがサソリではありません。

手を出すと刺激臭のある液体を出し、この液体が皮膚や粘膜につくと痛みを伴うため、珍しいからといって触らないようにしましょう。

ちなみにアマミサソリモドキは奄美大島ではそこらじゅうにおり、それほど珍しくもありません。

まとめ

今回は奄美大島の夜の生き物観察についてご紹介しました。

紹介した目的として、奄美大島の自然を知っていただきたいというのもありますが、同時に自然を守っていただきたいという気持ちも強く、下手に自然を荒らすことなく、生き物たちの住処にお邪魔しているという気持ちを忘れず、ルールを守り、安全第一で生き物を探してみてください。

奄美大島での生き物観察のお供としておすすめの書籍を下に貼っておきますね。

クリックしていただけるととっても嬉しいです!

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2021年8月20日生物情報,陸探索九州,奄美大島,鹿児島

Posted by lunalion