串本の漁港で海水魚採集【2020年夏2回目】
8月上旬に再び串本へ海水魚採集に行って参りました。
磯と漁港を回ってきたので、それぞれ別の記事としてご紹介しようと思います。
なお、今回の磯採集の結果についてはこちらでご覧ください。
漁港では日中から夜にかけて採集をしました。
漁港は一見何もいなさそうでも、よくよく探すといろいろな生き物に遭遇できます(磯も同じか)。
たくさんの生き物が見つかりましたが一部ご紹介します。
日中の漁港
ハタタテダイ+ソラスズメダイ
南紀の漁港で最も目立つのが青色に輝くソラスズメダイではないでしょうか。
南紀に限らずとも関東でもたくさん見ることができ、採集者の目を喜ばせます。
あらゆる漁港で群れている姿を観察することができます。
また、ハタタテダイの幼魚も南紀の漁港で良く目にします。
かなりはっきりした白色をしており、存在を主張してきます。
ハタタテダイは漁港に集まりやすい種類で、磯で見る機会は多くありませんが、漁港では一か所に数十匹が見られることもあります。
1cm程度の豆サイズから、20cm近い成魚も見ることができ、大きさのバリエーションも多彩です。
イトヒキアジ
背びれと尾びれから伸びた長い糸のようなヒレを持つイトヒキアジほど美しいアジが他にいるでしょうか。
なお、この長いヒレはクラゲの擬態という説があります。
漁港では光り輝いており、一匹いれば確実に複数個体います。
水面で魚などを追いかけまわしている姿をよく目にする魚です。
イトヒキアジは関東でもよく目にするアジで、採集は難しいですが、ただただ勢いに任せて網をかぶせて、水面にいる個体を捕まえたことがあります。
ゴンズイ
ゴンズイは海に生息するナマズの仲間です。
どの漁港でも確実に出会うことができ、「ゴンズイ玉」と呼ばれる群れを形成します。
おそらく外敵から身を守るために大きな体に見せかけているのでしょう。
夜行性ですが、幼魚は日中にも活発に泳いでいます。
可愛いですが毒があるので触るのは厳禁です。
アカエイ
アカエイは漁港で生き物観察をしているとたまに現れます。
でかいので急に現れるとビックリします。
夜の漁港
チョウチョウウオ(トリクティス期の稚魚)
夜の漁港では、寝ぼけているチョウチョウウオの仲間を比較的容易に採集することができます。
動きが鈍く、逃げ足が非常に遅くなっています。
その一方、トリクティス期と呼ばれる独特の形態をしたステージの稚魚と出会えることがあります。
生まれたてでまだ定着していないトリクティス期のチョウチョウウオ稚魚は、頭でっかちで、模様も出ておらず、鈍い光沢があります。
一見チョウチョウウオには見えません。
トリクティス期のこの個体のその後の色彩変化についてはこちらの記事でご紹介しているので良かったらご覧ください。
ベニカエルアンコウ
夜の漁港の海面を眺めていたら、特徴的な形をした魚がプカプカ流れてきました。
ハナオコゼかと思って掬ったら、なんとベニカエルアンコウでした。
一般的に、流れ藻などについて水面近くの生活に適応したハナオコゼが漁港では良く見られますが、カエルアンコウが水面近くにいるのは経験上稀です。
弱っていたのか、寝ぼけて海面付近まで浮かび上がってきたのか分かりませんが、こんなこともあります。
ダツ
串本の漁港の水面近くでは、大きなダツの姿をよく目にします。
超簡単に掬うことができます。
透明なハギ
ハギの仲間は、幼魚期に透明な体をしているのが面白いポイントです。
胸のあたりがシルバーに輝く以外、ほとんど透明で、魚の奥のほうまで良く見えます。
外敵の目を欺くための工夫でしょうか。
ムラサキオカヤドカリ
沖縄に多く生息することで知られる国の天然記念物、オカヤドカリは実は串本にも生息します。
串本のオカヤドカリはこちらでも紹介していますが、意外と珍しくないようで、夜の漁港を散歩しているとたまにアスファルトの上を歩いているのを見かけました。
今回は3匹のムラサキオカヤドカリを見つけました。
海のヤドカリと比較して、目がクリクリしていてかわいいですが、天然記念物なので触るのはNGです。
おまけ
カブトムシやクワガタムシ
漁港で採集できるのは海の生き物ばかりではありません。
実はカブトムシやクワガタムシといった昆虫採集の穴場でもあります。
南紀の漁港は山や森に隣り合っている場所が多く、さらに海を照らす明るい街灯もあるので、結構カブトムシやクワガタムシなどの甲虫が飛来します。
そのため、悲しいですが死骸をよく目にします。
海水魚採集と並行して昆虫採集もできる場所、それが漁港です。
ハグロトンボ
すぐそばの川に美しいハグロトンボがいたのでついでにご覧ください。
まとめ
今回は8月上旬の串本遠征の漁港版をご紹介しました。
漁港ではいろいろな生き物を目にすることができて楽しいですね。
磯版は上の方のリンクにあるので良かったらそちらもチェックしてください。
また、海水魚探索・採集に関する記事はこちらでまとめているので良かったらご覧ください。
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