【突然変異】幻の「ピンク色のバッタ」を発見【2020年初夏】
先日、大阪の能勢の田園地帯を散策していたところ、なんと、非常に珍しいピンク色のバッタを見つけてしまいました。
バッタって普通緑色とか茶色のイメージですよね。
ピンク色のバッタなんて聞いたことがありません。
しかし、一応そんな色の種類のバッタがいないかと調べてみます。
その結果、ピンク色のバッタについて、いろいろと情報が出てきたのでご紹介します。
ピンク色のバッタはなぜ生まれるのか?
まず、大前提として、ピンク色の種類のバッタは存在しません。
つまり、私が見つけたピンク色のバッタは突然変異種、つまりミュータントというやつです。
それも色素異常種であると考えられます。
私は大学では生物学を専攻し、現在もバイオ系の研究をしていますが、その中で色素細胞の突然変異に関する研究にも携わったことがあります。
そんな私にとっては、なかなか心躍る展開です。
生物の色が赤やピンク色になる突然変異はErythrismと呼ばれ、バッタ以外にも存在します。
黒い色素細胞(メラノサイト)がなくなって白っぽくなる突然変異であるアルビノの仲間みたいなもんです。
NATIONAL GEOGRAPHICの記事によると、ピンク色のバッタが生まれる条件は、以下のように言われています。
① バッタが持つ一般的な色素に異常が起こり、緑や茶色になれず、ピンクになった可能性
② マイナーなピンクの色素細胞が過剰に産生されて、ピンクになった可能性。
③ ①と②の現象が複合的に起こった可能性。
日本でピンク色のバッタが見つかってニュースになる時は、1000分の1の確率なんて言われることがあるようですが、その根拠は少し調べても分かりませんでした。
発見されるピンク色のバッタはほとんど子供
バッタがそもそも緑色や茶色をしている理由は、その生存競争のためです。
緑色になれば、草むらで見つかりづらく、茶色になれば地面の色と同化できます。
一方で、ピンク色になったらどうでしょう。
天敵にしてみればいいカモでしょうね。
ピンク色のバッタは、非常に目立つため、ほとんどの場合、大人になるまで天敵から身を守れず、死んでしまうと言われています。
とても大きなデメリットです。
その反面、メリットらしいメリットもありません。
こんな理由で、発見情報があるピンク色のバッタの多くは幼虫です。
逆に、大人になると、多くの個体がピンク色ではなくなるのではないかという説もあります。
捕まえて育ててみれば良かったです。
ピンク色のバッタを見つけるには
ではこのピンク色のバッタを捕まえるにはどうすれば良いでしょうか。
めったにいない珍しいバッタですが、その色はかなり目立つので、バッタが多い場所でひたすら探せば見つけられる可能性は十分にあります。
某研究チームは1日で6匹見つけることができたそうです。
まとめ
今回は、能勢で見つけた非常に珍しい、幻の「ピンク色のバッタ」について、海外文献も含めて調べてみたので、ご紹介してみました。
一言でまとめてしまえば、「ピンク色のバッタ」は色素異常の突然変異種ということでした。
今回このピンク色のバッタを見つけた際の探索記はこちらでまとめているので、良かったらご覧ください。
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