友ヶ島で生き物探し【2020年夏】
和歌山県の友ヶ島は淡路島と紀伊半島の間にある島々です。
神秘感あふれる廃墟を探検できるということで有名ですが、自然も非常に豊かでたくさんの生き物が生息します。
日本では友ヶ島にしか生息しないタイワンジカや、本土ではほとんど見る機会がないタイワンリスも高密度で生息しています。
さらに野生化した美しいクジャクも生息しており、小さな島ですが、たくさんの珍しい生き物を見るチャンスがあります。
友ヶ島で探検してきたので、出会った生き物たちを紹介します。
タイワンリス
友ヶ島と言えばタイワンリスと言っても過言ではないくらい数が多いです。
島全体にいますが、局所的に高密度で生活しているため、いる場所さえ知っていれば見つけることは難しくありません。
こちらで友ヶ島のタイワンリスが多いスポットを紹介しているので良かったらご覧ください。
タイワンリスは台湾固有のリスで、日本では1900年代に逃げ出したり放たれたりした個体が、一部で野生化しています。
食害などもあり、害獣扱いされることも少なくありません。
ただかわいいですし、良く動くので、観察していて飽きることはありません。
クジャク
友ヶ島ではクジャクも生息しています。
もちろん日本在来種ではありません。
人の手により放たれた個体が野生化しています。
とはいえどんどん増えて困っているとかいうわけではなく、数頭が見守られながら生活しているような印象です。
少し人馴れもしているようで、地元の方がエサをあげていました。
タイワンジカ(ハナジカ)
友ヶ島にはタイワンジカ(ハナジカ)という台湾固有のシカも生息しています。
今回は残念ながら出会えませんでしたが、草むらがあると、割と例外なく糞が落ちていたので、朝や夕方なら意外と簡単に出会えるかもしれません。
タイワンジカは日本では友ヶ島だけにしか生息しないとされており、1955年に導入された10頭が、現在では約50頭ほどになったと言われています。
ニホンジカと見た目、生態ともに近いとされているタイワンジカですが、ニホンジカは冬になると白斑が消えるのに対して、タイワンジカは花のような白斑が通年残ります。
このため、ハナジカとも呼ばれます。
近年は海を泳いで本土に渡るタイワンジカが確認されており、ニホンジカの交雑も問題になっています。
爬虫類
ニホントカゲ
第3砲台跡ではニホントカゲがちらほら見られました。
まだ明瞭な縦条があり、尾がメタリックブルーなので若い個体ですね。
日光浴中です。
ミシシッピアカミミガメ
友ヶ島西部にある「蛇ヶ池」ではミシシッピアカミミガメがいました。
外来種ですが、こんな離島にも入りこむくらい生息域が広く、すでにほとんどの有人島にひろがっているとされています。
甲羅に藻類が生えており、緑色になっています。
そして、実は第3砲台跡の砲座の水たまりにもいました。
こんなところに来てしまったらもう池に戻ることはできないので、一生をここで過ごすのでしょう。
マムシ
友ヶ島の島内にはいたるところにマムシ注意の看板が存在します。
マムシはハブより強力な毒とも言われ、噛まれると厄介なので、足元には注意した方がいいかもしれません。
鳥類
トビ
友ヶ島には鳥類も多く、鳥の鳴き声はよく耳にしましたが、中でも目立つのがトビです。
島のいたるところを旋回しています。
日本で多い猛禽類で、トンビとも呼ばれます。
上空を旋回しながらエサを探し、カエルやヘビ、ネズミなどを捕えます。
そして時に人の食べ物を奪います。
私も手から肉まんを持っていかれたことがあります。
翼の下先端部の白い模様が特徴です。
ウミウ
友ヶ島西端付近の岩場ではウの仲間がいました。
海にいるのでウミウでしょう。
その名の通り、海に住むウの仲間です。
昆虫・虫
マダラカマドウマ
今回の友ヶ島遠征で最も感銘を受けたのは第3砲台跡の荘厳さですが、それ以上に衝撃を受けたのはこの第3砲台跡に大量にはびこるマダラカマドウマたちです。
2cmを越えるだろう巨大なマダラカマドウマがそこら中うようよしている上に、隅では大量に固まって密集しています。
足が長いので実際よりはるかに大きく感じます。
私にとっては観察対象ですが、一般人からみたら気持ち悪いと感じる方も多いでしょう。
マダラカマドウマの存在は不快に感じるかもしれませんが、何もしなければじっとしていて害はないので、無視して友ヶ島の廃墟探索にいそしんでください。
夜になると行動を開始し、落ち葉や昆虫、樹液などを食べます。
コアシダカグモ
第3砲台跡の廃墟内にはほかにもたくさんの生き物がいます。
コメツキムシやカタツムリなどもいましたが、テンションが上がったのはコアシダカグモに出会った時でした。
ゴキブリを食べる益虫として知られるアシダカグモの仲間で、アシダカグモが人家に多いのに対して、コアシダカグモは洞窟や森に住み着きます。
この廃墟内にも結構な数が生息しているようでした。
アオスジアゲハ
森の中では美しい青い筋と赤い模様があるアオスジアゲハがひらひら飛んでいました。
都市部にも多く、目にする機会が多いアゲハチョウの仲間です。
コシマゲンゴロウ
キャンプ場近くの水たまりにはコシマゲンゴロウがいました。
小型のゲンゴロウの仲間で、たくさんの縦線が入っています。
セマダラコガネ
普通種のコガネムシ、セマダラコガネもいました。
背中の模様にマダラ状の模様があることからセマダラコガネと呼ばれますが、このマダラ模様は個体差や地域差が大きく、色々なパターンがあります。
クルマバッタ
トノサマバッタより一回り小さい、クルマバッタがいました。
飛ぶときにタイヤが回転しているように見えることからクルマバッタと呼ばれます。
オンブバッタ
友ヶ島でもこの時期はバッタが多く、そこら中にいました。
オスがメスの背中に長く乗り続けることから名がつけられた、オンブバッタもいました。
シオヤトンボ
第3砲台跡の砲座の水たまりではシオヤトンボたちが産卵をしていました。
ただ砲座にたまっただけの水たまりですが、たくさんの生き物が生息しているようでした。
カエル、オタマジャクシ、カメ、マツモムシなどなど。
シオヤアブ
シオヤアブが島内ではたくさん飛んでいました。
ぱっと見るとハチみたいな見た目で怖いですが、毒針はありません。
つまり刺されることはないので安心です。
その他
魚
友ヶ島は離島ですので、海は綺麗ですし、魚も多かったです。
少し海の中をのぞくと、スズメダイやハゼの仲間、メバルの仲間など魚の数は多かったです。
サワガニ
友ヶ島にはサワガニもいました。
こいつらはどこにでもいます。
まとめ
今回は友ヶ島で生き物を探しつつ探検してきたので、出会った生き物たちをご紹介しました。
まあメインはやはりタイワンリス、タイワンジカ、クジャクでしょうかね。
あとは第3砲台跡の廃墟内いるマダラカマドウマの大群やコアシダカグモも普通に生活していたらめったに見ることはありません。
洞窟っぽい環境があるからこその生態系です。
そして海は綺麗なので魚を探してみても面白いかもしれません。
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