沖縄でブラーミニメクラヘビを採集【2020年夏】
夏休みに沖縄に行くにあたり、絶対に見てみたかった生き物の一種がブラーミニメクラヘビになります。
ブラーミニメクラヘビは本州に住んでいる方にとってはほとんどなじみがないヘビで、熱帯・亜熱帯地域に多く生息するヘビになります。
日本最小のヘビで、沖縄では外来種として移入しているということで、ぜひ見つけて、観察してみたいと思い、探してみました。
ブラーミニメクラヘビとは
まずはブラーミニメクラヘビについて簡単にご説明いたします。
上でも少し述べたように、日本最小のヘビで、その大きさは20cmほどと非常に小さく、一見ミミズのようにしか見えないと聞きます。
日本では南西諸島など南部の島々に移入している外来種で、九州の一部や静岡などにも移入しているそうです。
サイズが小さく、土壌に生息するため、植木鉢などに混じって簡単に世界中に広がってしまった種になります。
また、シロアリのような小型の昆虫を餌とします。
私はこれまで実物を見たことがありませんでしたが、ミミズとは異なりウロコがあり、舌を出し入れするという特徴をもとに、何とか探してみることにしました。
ブラーミニメクラヘビを探してみた
今回、ブラーミニメクラヘビ探しに使える時間はあまり多くなく、本部半島の宿の近くの畑周りを夕方に少し歩くくらいの探索になりました。
ブラーミニメクラヘビは日当たりのよい土壌の、落ち葉、石、倒木、植木鉢などの下に生息するそうで、沖縄ではサトウキビ畑にも多いそうなので、石や倒木をひっくり返したり、落ち葉の下を探してみました。
また、道路脇の側溝に落ちていることも良くあるらしく、側溝の中に落ちた個体は登ることができず、側溝中の落ち葉などの下で過ごすか、隠れる場所が無いと暑さにやられて干からびてしまうそうです。
そこで、側溝のチェックも並行して行いました。
発見かと思いきや、、
畑脇の側溝を眺めていると、何やらミミズのような生き物を発見しました。
ミミズは石の下や、倒木の下、道路上でも見ることがありましたが、ミミズとは明らかに光り方が違う生き物です。
サイズはまだ6~7cmでしょうか。
ブラーミニメクラヘビの幼体です。
しかし、残念ながら死んでしまっていました。
この炎天下の中、側溝の中で暑さに耐えられなかったようです。
熱のせいか、体がクルクル丸まったまま固まってしまっています。
一日目は暗くなってきたのでこれで終了です。
しかし、ブラーミニメクラヘビの雰囲気は掴むことができ、また、この周辺に生息していることも確認できたので、次回こそは生体を捕まえられると少し自信が湧きました。
今度こそ発見
二日目であり、ブラーミニメクラヘビ探しの採集日も前日と同様、観光を終えた夕方ごろに宿の近くの畑周りの石をひっくり返したり、側溝の落ち葉の中を探したりしていきます。
数十分探して、空が暗くなってきたころ、アスファルトの道路上のごみの下からブラーミニメクラヘビが出てきました!
サイズは小さく、前日と同様6~7cm程度で、生まれたばかりの幼体だと思われます。
ブラーミニメクラヘビは6~7月ごろに単為生殖で卵を産むことが知られ、この時期は幼体が多いのかもしれません。
いずれにせよ、念願のブラーミニメクラヘビを捕まえることができました。
ブラーミニメクラヘビを観察してみた
さて、採集したブラーミニメクラヘビを観察してみます。
動きはかなり素早く、トカゲ並みとは言わないまでも、障害物が多いところで落としたら、すぐに隠れて見失いそうです。
体の表面はうろこでおおわれており、光沢があります。
明らかに一方向のみに進むため、目は分からなくてもどちらが顔か判別できました。
よく見ると舌を出し入れしている姿が確認できます。
尻尾の方は少し尖っていて、掴むとしっぽの先端で刺してきます。
とはいっても全く痛くはありません。
ただ、明らかにしっぽの先端を押し当ててきているのは感じます。
おそらくブラーミニメクラヘビなりの反撃なのでしょう。
顔をアップにしてよーく見てみますが、目はいまいちよく分かりません。
なんとなく「これが目かも?」と感じる部分はありました。
また、お腹側は若干色素が薄く、背側・腹側の区別はできそうです。
チロチロと小さい舌を出す姿はかわいいですが、小さすぎてなかなか肉眼で舌を見ることができません。
ということで動画に収めて、舌チロの瞬間を切り抜くことにします。
いつものように愛用のコンデジで動画を撮影し、舌チロの瞬間を切り抜いてみました。
舌の先はちゃんと二股に割れていることが確認できました。
やっぱりちゃんとしたヘビでした。
奄美大島のブラ―ミニメクラヘビ【2021年夏】
なお、上述の通り、ブラ―ミニメクラヘビは沖縄のみならず温かい地域に移入しています。
2021年には奄美大島で出会う機会があったので追記しておきます。
写真の子は夜の朽ち木上にあったアリの巣に特攻を仕掛けていました。
ちょっかいを出すと素早い動きで土にもぐっていきました。
まとめ
今回、沖縄でブラーミニメクラヘビを探索、採集、観察してきました。
この大きさのヘビになると、動物園などにいたとしても自分の目でちゃんと観察することは難しいと思います。
そのため、ちゃんと観察したかったら、自分で捕まえるしかありません。
沖縄には農耕地を中心にかなりの数のブラーミニメクラヘビが生息しているようなので、ぜひ探してみてください。
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