タイワンリスの生態と見つけ方
タイワンリスはかわいいリスの一種です。
そして名前に「タイワン」とつくことから分かるように、台湾から入ってきた外来種になります。
しかし、やっぱりリスなのでかわいいです。
日本のリスと大きく異なる点はその配色で、日本のリスはお腹が白く、背中側とお腹側で色がガラッと変わります。
その反面、タイワンリスはお腹の色が背中と同じ褐色で、色の変化がありません。
そんなタイワンリスの生態と野生で出会う方法をご紹介します。
タイワンリスについて
学名:Callosciurus erythraeus
分類: ネズミ目リス科ハイガシラリス属クリハラリス(亜種:タイワンリス)
頭胴長:19~24cm
尾長:16.5~20cm
体重:260~370g
分布: 神奈川県以西の複数地点(外来種)
タイワンリスはアジアに広く分布するクリハラリスの台湾亜種であるとされており、もともと日本には生息していませんでした。
はじめに日本で野生化したのは1935年のことで、伊豆大島で逃げ出した個体が繁殖し、定着しました。
その後、日本各地で野生化していきます。
タイワンリスは地域的に過密に生息しており、以下の地域に生息すると言われています(国立環境研究所より)。
大阪府(大阪城)、和歌山県(和歌山城、友ヶ島)、兵庫県(姫路城)、岐阜県(金華山)、静岡県(伊豆半島東部、浜松城)、神奈川県(南東部)、伊豆大島、東京都(あきる野市)、埼玉県(入間市)、長崎県(壱岐、福江島)、熊本県(宇土半島)、大分県(高島)です。
日本のリスに見慣れていると、大きく感じるくらいのサイズで、結構がっしりしています。
タイワンリスは日本で様々な被害も及ぼしており、例えば樹木の食害をはじめ、電線や家屋をかじったり、日本産リスの生存を脅かすなどの生態系への影響も懸念されています。
一部地域では駆除も行われています。
また、特定外来生物にも指定されています。
タイワンリスの生態
行動
様々な生息地に適応することができ、低山~亜高山帯の広葉樹林や、平地の市街地の公園、造林地などにも生息します。
気候への適応力も高く、涼しい地域~暖かい地域まで生活可能です。
昼行性で、朝~夕方にかけて行動し、普通は木の上で生活します。
基本的に単独で行動しますが、幼い個体は群れで生活します。
また仲間との連携も知られており、ヘビなどの天敵に出会うと鳴き声で仲間に知らせると言われています。
寿命は野生化では4~5年とされています。
餌
雑食で、果実や種子、花、葉、樹液などの植物性のものから、昆虫、カタツムリ、鳥のヒナや卵も食べます。
繁殖
繁殖期はなく、年に1~3回繁殖が可能と言われており、秋に子供が生まれることが多いようですが、栄養状態に応じて年に複数回の繁殖を行います。
一度の出産で1~4匹の子供を産みます。
樹皮や木の枝などを使い、樹上に作った巣で子供を育てます。
タイワンリスの見つけ方
野生のタイワンリスを見たい場合、生息地がかなり限定されているので、まずはその場所に行きます。
生息地は、上記「タイワンリスについて」で細かく記しています。
さらにその生息地中の一部で過密に生活していることが多いため、どこにいるかの情報があれば割とすんなり見つけることができます。
タイワンリス生息地の近くに住んでいる方にお話が聞ければすぐに分かるかもしれません。
私も先日和歌山県の友ヶ島でたくさんのタイワンリスを観察してきたので、友ヶ島のどこにタイワンリスがいるのかをこちらで詳しく書いています。
特に情報なく探す場合は、上記生息地を歩き、探しましょう。
木々の上で生活していますが、見つけるのは簡単ではありません。
朝から夕方にかけて活発に行動しますが、その時に音がするのでリスの移動音を頼りに見つけるのが早いかもしれません。
まとめ
今回はタイワンリスについてその生態と見つけ方をまとめました。
外来種で、様々な被害報告もあるタイワンリスですが、やっぱりかわいいので野生で見てみたいですよね。
ちなみに、岐阜県にある金華山リス村ではたくさんのタイワンリスと触れ合い、エサをあげることができるそうです。
一度行ってみたいですね。
最後になりますが、タイワンリス以外の哺乳類の生態・見つけ方もこちらで徐々にまとめています。良かったら覗いてみてください。
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