ヌートリアの生態と見つけ方

ヌートリアの生態と見つけ方【カピバラそっくりの巨大ネズミ】

最近、非常にメジャーな生き物となってきたヌートリア。

カピバラとよく似ている生物を野生で見た!ということでよく話題になりますね。

もともとは毛皮のために大量飼育していたものが、野生に放され、日本各地に広まりました。

毛皮は上質で柔らかく、肉は食用として今でも中国では食べられているそうです。

私も西日本に住んでいますが、大阪、兵庫、岡山などの水辺で目にしています。

今回はそのヌートリアについて、隅から隅までご紹介しましょう。

そして、このヌートリアという生き物に野生で出会うための方法をご紹介します。

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ヌートリアについて

淀川を泳ぐヌートリア
淀川を泳ぐヌートリア

学名:Myocastor coypus

分類: ネズミ目ヌートリア科ヌートリア属ヌートリア

体長:40~55cm

体重:5~10kg

分布: 主に西日本(外来種)

元は南アメリカ原産の哺乳類で、毛皮用に輸入されて飼育された個体が野生化し、日本中に広まった外来種です。

繁殖力が高いため、北アメリカやヨーロッパなどでも野生化しており、世界の侵略的外来種ワースト100という不名誉な称号も持っています。

茶色い体色で、パッと見ると巨大なドブネズミにも見えますが、ぶっちゃけ比較にならないくらい大きいです。

また外見が、ネズミのようなかわいらしさではなく、カピバラのようなのふてぶてしさを思わせるため、すぐにヌートリアだと分かります。

門歯と呼ばれる、一番前面にある前歯が黄色~オレンジ色であることが大きな特徴です。

日本での生息数ははっきりしていませんが、相当数生息しているだろうことは容易に考えられ、巣作りによる堤防破壊、農作物への被害、生態系破壊など、外来種問題が深刻化しています。

ちなみに、ヌートリアは西日本で増加していますが、実は関東にもヌートリアによく似た外来種である、マスクラットという哺乳類がおり、東京、千葉、埼玉あたりに住み着いているそうです。

ヌートリアとカピバラの違い

カピバラ
カピバラ

カピバラに似ていると良く話題になるので、カピバラとの違いを説明しておきましょう。

どちらもネズミ目ヤマアラシ亜目の哺乳類で、それなりに近い種と言えます。

見た目的には、見慣れれば全然違うのですが、そもそも大きさが違います。

カピバラが1メートルを超えるのに対して、ヌートリアは50cm前後と、カピバラの方が倍ほどのサイズになります。

そして、ヌートリアは門歯の色が最大の特徴で、目立つオレンジ色をしているのです。

あと、ヌートリアには30cm~40cmほどの長いしっぽがあるのに対し、カピバラにはしっぽはありません。

カピバラは人懐っこく、ペットとしての人気もありますが、その背景として、しっぽが無く、ネズミ感がないこともあるのかもしれません。

ちなみに、ヌートリアはのんびり屋なカピバラとは異なり、性格は多少荒いと言われています。

このように異なる点は多々あるのですが、どちらも南米原産で水辺で生息し、泳ぎを得意とするということを考えると、やはり似ている種なのだと感じます。

ヌートリアの生態

陸地にいるヌートリア
陸地にいるヌートリア

行動

水辺付近を生息地とし、長時間の潜水も行えます。

後ろ足には水かきまでついており、完全に水辺仕様となっています。

逆に陸地は苦手らしく、水辺周辺以外では見たこともありません。

基本的には、小さな群れを作り行動し、水辺近くに5~6メートルにも及ぶ長い巣をかまえます。

夜行性のため、日中は巣からあまり離れず、夕方~朝方にかけて餌を探します。

とはいえ昼間に泳いでいる姿も見ます。

なお、寒さには弱いとされています。

寿命は約10年です。

淡路島などの島でも発見例があることから、海を数キロメートル泳ぐこともできるみたいですね。

水辺の植物の茎や葉、根を主に餌とし、草食動物と言われることも多いですが、巻貝や二枚貝など、淡水生の貝や魚なども食べることがあるため、実際は雑食です。

繁殖

妊娠すると、4~5か月で出産にいたり、一度に5匹前後の子供を産みます。

春と秋の出産が多いですが、繁殖期は特にないと言われています。

ヌートリアの見つけ方

泳ぐヌートリア
泳ぐヌートリア

ヌートリアは西日本に広く生息していますが、観光で訪れやすい大阪でしたら、淀川の淡水域(大阪大堰より上流)や猪名川が発見例が多いです。

とはいえ中国地方、兵庫、大阪、京都にはかなり広域で生息しているため、西日本の河川でしたら、どこにでもいる可能性はあります。

岡山県では、標高500メートルほどの高所も含めて、県内全域のあらゆるところで発見例があります。

また、河川の下流域に多いイメージではありますが、上流域や池などにも生息しています。

生息情報はたくさんあるので、自分が訪れやすいところを選んで、夕方から夜にかけて探してみると見つけやすいです。

巣穴を知らない限りは、泳いでいるところを狙いましょう。

50センチメートルくらいの塊が、水面を移動するので、潜っていなければすぐに気づきます。

まとめ

今回は、カピバラによく似た外来生物、ヌートリアについて、生態、見つけ方、カピバラとの違いなど、ご紹介しました。

繁殖力が強く、日本各地に生息域を広げているヌートリア、かわいいんですが、河川決壊などの危険性を秘めた生物になっています。

カピバラとの違いは、体の大きさが半分ほど、しっぽがある、歯がオレンジということでした。

そして見つけようと思ったら、西日本の河川で夜に水面を泳ぐ巨大物体を探せば見つけやすいです。

ちなみにヌートリアは特定外来生物に指定されているので、許可のない捕獲は禁止されています。

最後になりますが、ヌートリア以外の哺乳類の生態・見つけ方もこちらで徐々にまとめています。良かったら覗いてみてください。

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2020年5月10日哺乳類図鑑哺乳類

Posted by lunalion