エゾヒグマの生態と見つけ方
北海道に生息するヒグマは、本州のツキノワグマに比べても圧倒的に大きく、過去にはヒグマに襲われて多数の死者が出ています。
ヒグマが多い知床には、ヒグマを撮影するために、多数のカメラマンが訪れますが、安易な気持ちでヒグマを探そうとはしないようにしてください。大変危険です。
とはいえ、安全に野生のヒグマを見る方法もあります。
エゾヒグマについて
学名:Ursus arctos yesoensis
分類:食肉目(ネコ目)クマ科クマ属ヒグマ亜種エゾヒグマ
体長:♂1.9~2.3m、♀1.6~1.8m
体重:♂150~300kg、♀150~160kg
分布:北海道
エゾヒグマは、北海道にのみ生息する、ヒグマの亜種で、ヒグマ自体はユーラシア大陸から、北アメリカ大陸まで、広く分布しています。エゾヒグマは巨大なクマですが、最大亜種であるコディアックヒグマは倍近い体重に成長します。
近年はエゾヒグマによる事件はほとんどありませんが、過去には有名な三毛別羆事件(1915年)、福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件(1970年) など、多数の死者が出る事件も起きています。
エゾヒグマの生態
行動
基本的に単独行動ですが、メスは子供が独り立ちするまで、行動を共にしますので、クマと出会うときは子供連れのことが多いです。
活動時間は特に決まっていませんが、夕方と朝方に活発に行動すると言われています。
50km/hという、車並みのスピードで走ることができ、ヒグマと出会って走って逃げようとしても絶対に逃げきれません。
寿命は約30年です。
餌
雑食性で、植物をよく食べますが、サケやマスが遡上する季節は魚主食にシフトすると言われます。
植物性の餌としては、草や、ドングリなどの木の実、畑の農作物を荒らして食べることもあります。動物性の餌は、エゾシカの死体、サケ、マス、アリなどの昆虫、ザリガニなどです。家畜を襲ったり、打ち上げられたクジラなど、何でも食べます。
繁殖
夏に交尾し、冬眠中に1-3匹を出産します。子は、1~2年間、母親と過ごし、大きくなると巣立ちます。
エゾヒグマの見つけ方
野生のヒグマを見つけようとして、山に入るのはNGです。非常に危険です。
ただし、会いやすさに関して言及するならば、相泊から知床岬への道、および羅臼岳の登山ではかなりの確率でヒグマに出会うとのこと。
無防備にエンカウントするのは非常に危険なので、徒歩でこれらのルートを行く場合は、クマよけの鈴などで出会わないように工夫しましょう。
見つけ方① 車で探す
安全に野生のヒグマを見つける方法としては、車を運転して探すという手があります。
車の中からの観察であれば、基本的には安全ですが、できる限り遠くからの観察にとどめましょう。また、そのせいで後続車に迷惑をかけることは厳禁です。
車を走らせる場所として、目撃情報が多いのは、知床の羅臼から相泊にかけての道、知床横断道路、ウトロからカムイワッカに続く道でしょうか。
道に出てくることはほとんどないので、同乗者に道の脇や斜面をじっくり探してもらうと良いでしょう。
路上にはシカやキツネが出てくるので、運転者がよそ見していると、悲惨な事故になる危険大です。
クマが出てきやすい場所としては、サケやマスが遡上する川があげられます。川はたくさんあるので、しらみつぶしに見ていくと、運が良ければ見つけることができるかもしれません。
なお、イワウベツ川とその下流は、秋になると高確率でクマが現れることで有名です。同時にカメラマンの路駐が、非常に迷惑になっています。
車は迷惑にならないところに停めるようにしましょう。
見つけ方② クルーズで探す
野生のヒグマを見たければ、この方法が最も正攻法です。
ウトロからは、知床半島のクルーズ船が出ており、船からは知床半島の景色に加えて、ヒグマやクジラの仲間などを、時期によっては高い確率で見ることができます。
料金はかかりますが、より安全に、より確実にヒグマを見ることができます。
まとめ
今回は、エゾヒグマについての生態と見つけ方を記事にしました。
見つけ方としては、2通りで、①車で探す。②クルーズで探す。という結論でした。
おすすめは断然クルーズで、おそらく、車よりはるかにコスパが良いです。
ただしクルーズで高確率で観察できる時期は基本的には夏なので、確実に見たかったら夏に行きましょう。
それでは知床に行くときは、くれぐれもヒグマにお気をつけて。
最後になりますが、ヒグマ以外の哺乳類の生態・見つけ方もこちらでまとめようと思っています。良かったら覗いてみてください。
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