串本の磯で海水魚採集【2020年夏3回目】
8月も終わりかけのころ、今年3度目となる串本での海水魚採集に出かけてきました。
朝に海に入り、夕方~夜にかけて漁港採集というハードな一日でした。
前回より一気にチョウチョウウオの数が増したように感じます。
磯のあちこちで美しいチョウチョウウオたちが泳いでいました。
ここでは磯採集の結果について書いていきます。
漁港採集の結果はこちらをご覧ください。
チョウチョウウオの仲間
今回行った磯では、チョウチョウウオは6種類観察できました。
ナミチョウが意外と少なく、フウライとトゲだらけでした。
数を視覚化するとこんな感じです↓
トゲ = フウライ > ナミ = チョウハン = トノサマ > アケボノ
トノサマやアケボノも一応採集チャレンジしましたが、サンゴに逃げ込まれると手が出なかったです。
トゲチョウチョウウオ
トゲチョウチョウウオは50円玉~100円玉サイズのちょうどいい個体が多数見受けられました。
採集しようと思えば、いくらでも採れる気がしました。
白と黄色が美しく、チョウチョウウオ界の中でもトップクラスに映えるチョウチョウウオです。
今回最も数が多く観察された種でもあります。
フウライチョウチョウウオ
フウライチョウチョウウオもトゲチョウチョウウオ同様にどこにでもいて、容易に採集できる状態でした。
フウライとは「風来坊」のことを指し、放浪するチョウチョウウオという意味です。
ただ、その名に反し、水槽に入れると分かりますが、他のチョウチョウウオ同様(他のチョウチョウウオ以上かも?)に強い縄張り意識を持ちます。
飼育はチョウチョウウオの中では容易な方だと思います。
体の後方に黒い線が入ることが特徴です。
アケボノチョウチョウウオ
アケボノチョウチョウウオはサンゴ礁域まで行くとそこそこ数が見られましたが、メインで採集をしているサンゴが少ない場所では見ることがありませんでした。
サンゴ礁域では魚種は増えますが、同時にサンゴという最強クラスの隠れ蓑があるので採集は難しくなります。
スズメダイ・クマノミの仲間
スズメダイやクマノミは今回たくさんいましたが、この種は割といつもたくさんいます。
クマノミは今回極小の幼魚も見つけることができました。
しかし、岩の奥のイソギンチャクの中に入ってしまったので採集は諦めました。
やっぱり狭い隙間でも戦える小型の網があると便利だなと思いました。
以下、今回採集したスズメダイ、クマノミを紹介しますが、他にもソラスズメやネズスズメ、オジロスズメなど、綺麗なスズメダイは多かったです。
クマノミ
クマノミは、串本の磯であればどこの磯でも必ず見られる印象です。
立派なイソギンチャクがあれば高確率でいます。
また、小さなイソギンチャクでも良く見るとクマノミの稚魚がいることがあります。
イソギンチャクから離れようとしないので、採集も容易なことが多いです。
ミツボシクロスズメダイ
ミツボシクロスズメダイは真っ黒な体に3点の白いスポットが特徴のスズメダイです。
ミツボシクロスズメダイ(三ツ星黒スズメダイ)という名の通りですね。
関東や和歌山では珍しいですが、時おり見られることがあります。
幼魚期はイソギンチャクと共生し、クマノミに近いスズメダイです。
泳ぎ方も何気にクマノミっぽさがあります。
他のスズメダイと同様、飼育は容易で丈夫です。
幼魚のうちは大人しいですが、大きくなると攻撃的になるため、混泳飼育には注意が必要です。
ミヤコキセンスズメダイ
ミヤコキセンスズメダイは本州の浅瀬で少なからず見ることができ、水深がある場所より膝下深さのタイドプールのような波のない浅瀬に多いイメージです。
色の美しさだけを見たら、串本トップクラスの派手な色合いをしています。
串本では数も多く、採集も簡単な方です。
捕まえるとすぐに色がくすんでしまうのが悩みの種で、色の美しさを期待しての飼育にはあまり向きません。
メガネスズメダイ
メガネスズメダイは赤みがかった頭部に青いラインが走るこれまた美しいスズメダイです。
オジロスズメダイと良く似ていますが、青いラインが入ることや、背びれの眼状紋が大きいことなどから見分けが付きます。
串本ではオジロスズメダイはそこそこ見られますが、メガネスズメダイは少し珍しいように思います。
その他
サザナミヤッコ
今回は磯採集の主役であるサザナミヤッコも採集できました。
しかも二匹見つけることができました。
サザナミヤッコは秋が近づくにつれ、見かけることが増えると思います。
この個体は小指サイズでしたが、しっかり白線が出ています。
採集魚だけではなく、観賞魚としても人気を博しており、海水魚を置いているペットショップの多くで取り扱っています。
飼育も難しくなく、チョウチョウウオよりは飼いやすい印象です。
アカハチハゼ
アカハチハゼは目の下にきれいな青いラインが入る美しいハゼで、サンゴ礁の砂地に生息します。
あまり砂地に目を向ける機会が少なかったからなのか、これまでは見たことがありませんでした。
飼育は容易で大人しいということだったので、我が家の水槽に投入してみましたが、一瞬でどこかに消えてしまいました。
おそらくライブロックの下などに隠れたのだと思われますが、、、
ちゃんと餌を食べてくれているのか心配です。
ミナミハコフグ
ミナミハコフグは串本では普通に見られるハコフグの仲間です。
ハコフグに比べて黒点が大きいことや、色の鮮やかさから判別できます。
しかし、小さいときはやはり差が分かりにくく、私はちゃんと見分けることができている自信はありません。
ミナミハコフグは熱帯性のハコフグで、良く見られる温帯性のハコフグとは違い、本州では越冬できないと言われています。
ミカドウミウシ
赤いウミウシの写真を撮っていたので、ついでに載せておきます。
こちらはミカドウミウシというウミウシです。
外套膜を持ちますが、画像のように通常は丸めています。
最大60センチにもなるという巨大なウミウシで、この個体は10センチほどで、大きいなあと思っていましたが、もっと大きくなるようです。
おまけ
磯の裏の山に行ったら水抜きパイプからニホントカゲが顔を出していたので撮影しました。
直前ににわか雨があったので雨宿りしていたのでしょうか。
まとめ
今回は8月末の串本海水魚採集の結果をまとめました。
こちらは磯採集版となります。
漁港版は上部のリンクからご覧ください。
また、海水魚探索・採集に関する記事はこちらでまとめているので良かったらご覧ください。
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