能勢で生き物観察【2020年初夏】
今年何度目でしょうか、大阪北摂に位置する能勢市周辺に生き物観察に行って参りました。
曇りっぽい天気ではありましたが、いろいろな生き物と出会えたのでご報告します。
ヘビ
能勢は田んぼが多いこともあり、いつも田んぼ周りの道を散歩するのですが、ヘビにはかなり高確率で遭遇します。
今回、田んぼは数十分歩いただけでしたが、ヤマカガシ二匹とシマヘビに出会うことができました。
そろそろアオダイショウに会いたいものですね。
シマヘビ
ヘビを探すときは狭い隙間や倒木、落ちている板の下などがチャンスです。
そういった場所をヘビは休憩所として利用します。
今回も落ちていたトタン板をめくったらシマヘビが出てきました。
ヘビは意外と逃げ足が遅く、しばらくじっくり観察していると異変に気付き、ゆっくり逃げ始めました。
トカゲの仲間に比べると捕まえるのは超イージーです。
ヤマカガシ
今回出会ったヤマカガシは二匹になります。
どちらも田んぼのすぐ脇で見つけました。
一匹目は田んぼの脇の山に立てかけてあった板の裏を除いたら出てきました。
田んぼ近くの放置された板の裏にはかなり高確率でヘビが見つかります。
ヤマカガシ二匹目は休耕田脇の雑草地帯を移動している個体を見つけました。
千葉で出会うヤマカガシは赤い個体が多いイメージでしたが、能勢で出会う個体は全体的に黒っぽい気がします。
ヤマカガシは地域差が出やすい種類でもあるので、そういった影響もあるのでしょう。
ロードキル
この時期に多いのがロードキル、つまり車に轢かれたかわいそうなヘビたちです。
この日は田んぼ近くの道でロードキルされたヤマカガシ二匹を見つけました。
どちらもすでに息絶えており、もうどうしようもありません。
ヘビは良く路上に出てくるくせに、逃げ足は速くないので簡単に車に轢かれてしまいます。
田舎道を走る時はヘビを轢かないように注意したいですね。
爬虫類(ヘビ以外)・両生類
続いて、出会った爬虫類と両生類のご紹介です。
すでにヘビは出しているので、ヘビ以外の爬虫類・両生類になります。
アカハライモリ
北摂ではおなじみのアカハライモリです。
探さなくてもいろいろな水辺で見かけます。
田んぼはもちろん、流れのゆるやかな川や、いまにも干からびそうな小さな水たまりでも見かけます。
この日は能勢の山奥で見つけた湿原にてアカハライモリ発見です。
トノサマガエル
山奥にあった小さな水たまりでトノサマガエルを発見です。
能勢ではわざわざ山に来なくても、田んぼ近くでトノサマガエルはたくさん見つけられるんですけどね。
きれいな緑色のトノサマガエルもいました。
こちらの個体は清流脇の水たまりにて。
モリアオガエルの卵塊
モリアオガエルの卵塊を見つけました。
モリアオガエルは水辺に張り出している木の枝などに泡で包まれた卵塊を産み付けます。
雨などにより泡が崩れると、生まれたオタマジャクシが池に落ちていき、池での生活が始まります。
同じアオガエル科にはシュレーゲルアオガエルもいますが、シュレーゲルアオガエルは土中に柔らかい泡に包まれた卵塊を産むので見分けることができます。
ニホンカナヘビ
ニホンカナヘビは日本を代表するトカゲの一種で、そこらじゅうで見ることができました。
カナヘビがこちらに気づいて逃げるときに大きなカサカサという音がするので、音の方向を見ると、カナヘビを観察できます。
田んぼの近くを歩いていると気が散るレベルでカサカサ音が鳴り響きます。
昆虫
この季節は昆虫だらけなので、全ては書ききれません。
出会った昆虫の一部を記録として書いておきます。
コクワガタ
雑木林にいたコクワガタです。
コクワガタとはいえ、クワガタはクワガタです。
やはり鋭いアゴはかっこいいですし、見つけるとテンションが上がります。
コクワガタは様々な広葉樹で見ることができる身近なクワガタですが、適当に探しても意外と見つかりませんでした。
やっぱりちゃんと樹液が出る木をロックオンして行かないとだめですね、、、
ヒメヒゲナガカミキリ
三草山を登っていると陽が差し込む場所にヒメヒゲナガカミキリを見つけました。
「ヒゲナガ」とつくだけあって、さすがに触覚が長いですね。
あまり目立ちませんが、山地などに良く生息しているカミキリムシの仲間です。
ヒメクロオトシブミ
ヒメクロオトシブミは代表的なオトシブミの一種です。
背中が真っ黒でツヤがあり、足が黄色っぽいのが特徴ですが、黒い個体なども見られます。
オトシブミの仲間は葉っぱに大あごで切り込みを入れ、くるくるまるめて、筒形の揺籃と呼ばれるゆりかごを作ります。
種類によっては子のゆりかごを切り離して地面に落とすのですが、まるで落とした文(ふみ)みたいに見えることから「落とし文(オトシブミ)」と呼ばれるようになりました。
このヒメクロオトシブミは揺籃を落としたり落とさなかったりします。
ヒメアシナガコガネ
葉っぱについていたヒメアシナガコガネを見つけました。
期せずして「ヒメ」3連発です。
昆虫には名前にヒメがついている種類が多く、単に小さいことを意味します。
写真を見ていただければ分かりますが、ヒメアシナガコガネは名前通り、「小さくて足が長いコガネムシ」です。
単調な名前ですが、美しいコガネムシです。
全体的に黄色く、黒い縦長の斑紋が入ることが特徴ですが、模様は比較的パターン豊富のようです。
様々な花や葉を食べるため、時として害虫としてみなされます。
マメコガネ
どこにでもいるコガネムシ、マメコガネがいました。
マメ科の植物をメインに様々な植物を食い荒らすことから、一般的には害虫認定されています。
いるところには数十匹まとまっていたりして、瞬く間に花や葉っぱを食い荒らします。
オバボタル
光らないホタルとして知られるオバボタルです。
オオオバボタルとよく似ますが、胸部の赤紋が小さいことやサイズからオバボタルだと思います(たぶん)。
光る姿を観察することはできませんが、実際はかすかに光るそうです。
ただし、発光能力を用いた配偶活動は行わず、フェロモンを利用して出会うそうです。
発光能力は飾りでしょうかね。
ミヤマクワガタ(死骸)
ミヤマクワガタの死骸がありました。
見つけた場所は標高数百メートルの場所なので、ミヤマクワガタの生息地としては適所です。
鳥に食べられたのでしょうか?
立派な大あごなのにもったいないですね。
キマワリ
ゴミムシダマシの一種、キマワリです。
足が長いことで、木の周りをぐるぐる回れるということからキマワリという名前が付いたとされます。
朽ち木などでよく見られ、非常に目につきやすい甲虫です。
意外と都市部近郊でも目にします。
ホシハラビロヘリカメムシ
交尾中のホシハラビロヘリカメムシがいました。
ホシハラビロヘリカメムシはマメ科の植物によくつくカメムシで、黒い点が背中に二個あることが特徴です。
ちなみにヘリカメムシの「ヘリ」とは体の後ろ部分がでっぱっており、まるで「縁(ヘリ)」があるように見えることからヘリカメムシと呼ばれます。
ホシハラビロヘリカメムシは都市部でも良く見られるカメムシの仲間になります。
セアカツノサシガメ
木の樹皮で見つけたのはセアカツノカメムシです。
ツノカメムシは背中が角のようにでっぱっていることからこのように呼ばれます。
背中が赤いセアカツノカメムシはツノカメムシの仲間の中ではかなりメジャーな種ではないでしょうか。
ヤニサシガメ
真っ黒で、油で汚れたようなヤニサシガメに出会いました。
なぜかは分かりませんが、ヤニサシガメは松ヤニを自分の体に塗りたくることでこのように油ギッシュな体表になっているそうです。
しかも松ヤニがないとどんどん弱ってしまうそうな。
一体松ヤニにどんな働きがあるのでしょうか。
ゴマダラベニコケガ
目が覚めるような赤い色と模様が美しい蛾がいました。
コケガの一種、ゴマダラベニコケガです。
これだけ鮮やかな色とパターンをしていると目を奪われますね。
カノコガ
交尾中のカノコガに出会いました。
よく都市部でも見かける蛾です。
それもそのはず、カノコガの幼虫はタンポポやシロツメクサなど、そこらへんの雑草を食べて育ちます。
都市部でも餌が豊富なんです。
キバラエダシャク
赤みが強いキバラエダシャクがいました。
色彩変異が豊富で様々なパターンがあるエダシャクの仲間です。
シオヤトンボ
交尾中のシオヤトンボがいました。
シオヤトンボのオスは真っ青でシオカラトンボに似ますが、腹部先端の黒味がほとんどないことから見分けることができます。
トンボの交尾はなかなか特殊で、オスがメスの頭を捕まえ、胸に届けた精子を受け渡すという形になります。
ぱっと見ると何が起こっているのかよく分かりませんね。
鳥類
三草山を登ろうとしたとき、キビタキの幼鳥がいましたが、ばっちりカメラ目線をしてくれました。
せっかくなので載せました。
まとめ
今回、初夏の能勢で生き物を探して来ました。
そして一部にはなりますが、出会った生き物を紹介しました。
田園地域は生き物が多くて、ヘビも良く見ることができるので歩いていて楽しいですね。
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