プラナリア【最強再生生物】
一見なめくじのような、ただの小さな無脊椎動物の一種にして、研究者にも、生き物好きにも注目される生き物がいます。
それが、今回解説させていただく、「プラナリア」になります。
注目を受ける最大のポイントは、有名な再生能力で、再生するための栄養さえあれば、100個の断片に切り刻んでも、そのすべてが再生し、100の個体が生まれると言われています。
そんなプラナリアを自分で捕まえて実際にちぎってみたので、プラナリアの豆知識とともに紹介します。
プラナリアとは?
プラナリアは、平らな形をしていることが特徴の扁形動物の一種で、三岐腸目に属する生物の総称になります。
日本では一般的に川に生息するナミウズムシのことを指すことが多いです。
そのため、今回はプラナリアと言ったらナミウズムシの話をしていると考えてください。
プラナリアの形態的な特徴としては、矢印のような頭のふくらみがあり、目は寄り目のような色配置になっており、かわいいですね。
食性は雑食ですが、主には肉食で、イトミミズやカゲロウの幼虫、魚の死体などを食べます。
また、前述のように、研究対象としても優秀な生き物で、再生研究のモデルとしても多用されています。
研究が進めば、いつの日か人間の四肢欠損などの再生も可能になるかもしれません。
プラナリアの生息地と採集
プラナリア(ナミウズムシ)は北海道北部を除く日本全国の川の上流域に生息しており、石をひっくり返すとくっついていることがあります。
再生能力が高いと言っても、決して生存能力が優れているわけではなく、水質が悪い場所では生きていけないため、きれいな川で探しましょう。
体長が2cmほどと小さく、丸まっていることもあるので、よく見ないと見逃してしまうこともあります。
特性上、採集する際にはちぎれやすいので、筆や柔らかい葉っぱなどを用いて、優しくはがしてやる必要があります。
また、トラップ採集も有用で、鳥のレバーなどを沈めておくとプラナリアが集まってきます。
プラナリアをちぎってみた
さて、今回和歌山の某川でプラナリアを採集したので、実際にちぎってみてその後一時間の経過を観察してみました。
特に動画などもないため、結論だけいうと、ちぎった直後から、頭側、お尻側ともに何事もなかったかのように独立して動き始め、別々の意思があるかのように行動し続けました。
1時間観察しましたが、頭がないお尻側もまるで頭がついているかのように、最後まで普通に動いていました。
こうなることは分かっていたものの、やはりなんとなく不思議な光景でした。
顔が再生するまで飼育してみたかったですが、またこの場所まで逃がしに来るのも大変なので、今回は1時間の観察にとどめてリリースしました。
彼らは今後2匹の個体として生きていくことでしょう。
プラナリアはなぜ寄り目なのか
今回の記事の趣旨とはあまり関係ありませんが、プラナリアがなんでこんなにかわいい寄り目をしているのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
分かりやすく解説させていただきます。
そもそもプラナリアの白目と黒目は人間の目とは持つ役割が違います。
プラナリアの目には人間の目ようなレンズ(水晶体)がついておらず、杯状眼と呼ばれるくぼみがあるだけで、光の方向を認識できるだけの原始的な目になっています。
左右を向いたくぼみの底面が黒くなっており、白い部分から光を感じ取り、光の方向を認識するという仕組みになっています。
まとめ
今回はプラナリアについて、生息地、採集方法、ちぎってみた結果に加えて、寄り目の秘密まで解説しました。
本当は再生の秘密についても、研究結果がたくさんあるので触れようと思ったのですが、長くなるのでまたの機会にしておきます。
意外とあちこちに生息しているので、一度ご自身の手で実験してみてください。
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