9月の串本は熱帯魚の山~磯ver~【2020年初秋】
9月にもなると気温も下がってきて海に入るのが寒い季節になってきます。
とはいえ、この季節はまだまだ死滅回遊魚たちの最盛期になります。
少し早いですが、今年の海水魚採集はこれがラストになりそうです。
あまり捕まえられなかったものの、チョウチョウウオの種類はかなり豊富でおもしろかったので、出会えた魚たちをご紹介していきます。
同日の漁港での採集・観察結果はこちらからご覧ください。
トゲチョウチョウウオ
トゲチョウチョウウオは相変わらず多かったです。
トリクティス期の個体から5~6cmの個体まで、バリエーションに富んでいました。
これだけいると捕まえ放題です。
フウライチョウチョウウオ
本州で捕まえられる代表的なチョウチョウウオであるフウライチョウチョウウオもかなり数がいました。
どこのタイドプールにもいる感じでトゲチョウチョウウオより多かったかもしれません。
チョウチョウウオを見つけると、そのほとんどがトゲチョウチョウウオかフウライチョウチョウウオでした。
ゴマチョウチョウウオ
テーブルサンゴが生えている場所で見つけたのは大きめのゴマチョウチョウウオです。
薄い黄色にゴマ模様が特徴で、そんなに良くいるチョウチョウウオではありませんが、奇しくも去年と同じ場所で見つけました。
ゴマチョウチョウウオの生息に適した場所なのかもしれません。
5cmを越える大きさのため、追いかけまわしてもかなりのスピードで逃げますが、追い詰められて焦ったところで網を振って捕まえました。
ゴマチョウチョウウオは逃げ方がシンプルで、予想通り動いてくれるので割と捕まえやすいイメージです。
チョウハン
チョウハンもかなりの数が確認できました。
とはいえフウライやトゲに比べると数はグッと落ちます。
ちょこちょこ目に入る程度の感じでした。
その他出会ったチョウチョウウオの仲間
チョウチョウウオの仲間は他にもいろいろといたので、一応出会った種類を一通り紹介しておきます。
画像はありません。
ナミチョウチョウウオ
普通種ですが、数は少なかったです。
たぶん幼魚は二桁数すら見ていないです。
成魚は結構いました。
串本では7月から8月の初めにかけて、他のチョウチョウウオたちに先駆けて登場してきますが、トゲやフウライがどんどん数が増える一方、ナミチョウはあまり8月9月に増えない印象です。
トノサマダイ
枝サンゴやテーブルサンゴの周りをちょろちょろしている個体をよく見ました。
サンゴの隙間を逃げる個体を採集するのは骨が折れるため、あまりトノサマダイの採集には注力しないことが多いですが、串本では本気で探せば浅瀬でもかなりの数が見つかると思います。
ちなみにポリプ食で餌付けが少し難しい魚です。
アケボノチョウチョウウオ
アケボノチョウチョウウオも死サンゴ周辺で良く見られました。
採集しやすい場所に現れてくれることが少なく、逃げ場が多いサンゴ礁域に多いチョウチョウウオです。
スミツキトノサマダイ
スミツキトノサマダイはトノサマダイによく似ますが、数は少ないです。
トノサマダイ同様に枝サンゴの隙間で良く見られます。
ヤリカタギ
今回たくさんのヤリカタギをいろいろな場所で見かけました。
基本的にはテーブルサンゴの隙間に隠れており、採集は困難でした。
数が多くない種だと思っていたのですが、トノサマダイより多かったです。
シラコダイ
温帯種で、串本でも繁殖していますが、幼魚を浅瀬で見たことはありませんでした。
今回、ひざ上くらいの浅瀬で、大潮の干潮時なら干上がりそうなゴロタ石場で見つけました。
採集成功を2回くらい確信したのになぜか逃げられてしまいました。
サザナミヤッコ
今回もサザナミヤッコを捕まえました。
サザナミヤッコは激しく泳いで逃げるタイプではありませんが、基本的に岩の隙間などに隠れており、場所によってはかなり採集にてこずります。
逆に、場所によってはかなり簡単です。
今回も長期戦の上の採集になりました。
ちなみにこの個体は前回見つけてそのまま採集せずに放置していた個体で、今回も同じ場所で見つけることができました。
ただ、サイズは1か月足らずで倍以上になっていました。
誰かに捕まえられていなくて良かったです。
クマノミ
1cmに満たない極小クマノミ×2を採集しました。
普段使いのタモ網では大きすぎて逆に採集が難しく、直径10cmほどの金魚網で採集しました。
イソギンチャクのそばをひらひら泳いでおり、逃げたり隠れたりもほぼほぼないため、採集は容易です。
何も入っていないクーラーボックス内で見失うほどの小ささでした。
ホンソメワケベラ
ホンソメワケベラも極小サイズで、まだ2cmほどでしょうか。
クリーニングしているところに近づいたら、大きい魚と勘違いしたのか、全速力でこちらに突進してきました。
そのため、採集にかかった時間は1秒です。
ホンソメワケベラの幼魚は採集は容易ですが、とにかく細いので、網目の細かい網を用意する必要があります。
シマウミスズメ
腰程度の深さの浅瀬で10cmほどのシマウミスズメを捕まえました。
このサイズでも泳ぐのはそれほど速くありません。
ハコフグに近いフグの仲間ですが、ハコフグとは違い、目の上に突起があります。
よく似たコンゴウフグやウミスズメとの違いとして、青色の虫食い斑があげられます。
数センチサイズの幼魚は一度飼ってみたいですね。
ハナミノカサゴ
4~5cmほどのハナミノカサゴの幼魚を捕まえました。
このサイズのミノカサゴの仲間はホントに美しくて、飼育するか本気で悩みましたが、結局リリースしました。
野生では基本的に生きた魚やエビなどを丸のみにして生活していますが、飼育下では人工飼料にも餌付き、簡単に飼うことができますが、すぐに大きくなってしまいます。
トラウツボ
お散歩中のトラウツボを採集して戯れました。
巣から出ているウツボの採集は割と簡単です。
歯はするどいので、噛まれないように注意する必要はありますが、基本的には噛んできません。
シマハギ
シマハギは串本ではかなり数が多いハギの仲間です。
シマスズメダイ並みにどこにでもいます。
素早いので採集は意外と難しかったりしますが、数が多いので他の魚を捕まえた時になぜか入っていたりもします。
クラカケモンガラ
クラカケモンガラも大量発生していました。
クラカケモンガラは危険を察知すると石の下や隙間に隠れこみます。
ただし、逃げ込む石というのが大きな岩ではなく、小さな石であることが多く、石ごと掬ったり、石を持ち上げて網の中に誘導することで捕まえることができます。
まとめ
今年最後になるだろう磯採集で出会った魚たちをご紹介しました。
(一人なので)基本的にタイドプールや足がつく場所をメインに採集していましたが、その割にはいろいろな魚に出会えて満足しています。
また、海水魚探索・採集に関する記事はこちらでまとめているので良かったらご覧ください。
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