ニホンアナグマの生態と見つけ方
ニホンアナグマは日本固有種の哺乳類です。
タヌキ、ハクビシン、アライグマなど、パッと見ると見た目が似ている動物がおり、良くネットではその比較がされています。
ハクビシン、アライグマが外来種なのに対して、ニホンアナグマ、タヌキは守るべき在来種になります。
とはいえ、農業などの害になることもあるようですが。
今回はニホンアナグマについて生態と、野外での見つけ方を書いていきます。
ニホンアナグマについて
学名:Meles anakuma
分類: 食肉目イタチ科アナグマ属
体長:40~70cm
体重:5~13kg
分布: 本州、四国、九州、小豆島
上に、タヌキ、ハクビシン、アライグマとよく比較されると書きましたが、アナグマはイタチ科です。
一方、タヌキがイヌ科で、ハクビシンがジャコウネコ科、アライグマがアライグマ科と、実は科から全く違い、分類的に近くないことが分かります。
イタチ科はニホンアナグマ以外にもイタチやオコジョなどがおり、どちらかと言えばニホンアナグマはイタチやオコジョに近い仲間ということですね。
ただしやっぱり、他のすらっとしたイタチ科の仲間と比べずんぐりしているので、イタチっぽくはないですね。
体調や体重はばらつきが大きく、かなり個体差があります。
ちなみに分布にある小豆島は、瀬戸内海に浮かぶ淡路島より少し小さいくらいの大きい島になりますが、船でないと訪れることができない穴場スポットになります。
ニホンアナグマの生態
行動
主に山地や丘陵地に棲み、自分で巣穴を掘って暮らします。
平地の草原や森林部に棲むこともあり、かなり適応力は高いです。
夜行性なので昼間に出会うことは多くなく、夜に山中で良く目にします。
とはいえ、昼間でも行動している姿を目にすることもあります。
巣穴を作り上げる能力が高く、長いトンネルを作って、複数の出口を作ります。
中はかなり複雑な構造になっているそうです。
アナグマの巣は他の動物にとっても住みやすく、タヌキなどが利用することも良くあり、これが「同じ穴のムジナ」という語句の語源だとか。
冬は11月ごろから4月ごろまで冬眠します。
寿命は10~15年と言われています。
餌
昆虫、カタツムリ、ミミズ、カエルなどの動物類や、果実やドングリといった植物類を食べる雑食種です。
時にはヘビや、ノウサギなどの小動物も食べ、割と何でも食べます。
そして、冬眠に向けて秋にはブクブクに皮下脂肪をつけます。
繁殖
春ころに子供を産むと、夏にかけて育児をし、秋にもなると親と変わらないくらいの大きさまで成長し、親離れしていきます。
ニホンアナグマの見つけ方
ニホンアナグマを探すのであれば、まず季節として、夏などの暖かい時期がベストです。
涼しい時期では冬眠に入ってしまい、見つけられる個体数が減ってしまうかもしれません。
場所としては、本州、四国、九州の山地であれば、どこでも遭遇可能であると思って差し支えありません。
平野部は基本的に目撃情報が少ないため、生息しているにしても探すには適しません。
東京にお住まいの方は房総半島南部や山梨県、大阪の方は四国や和歌山、京都が密度が濃そうです。
足場や見通しが悪い森の中や、行動数が少ない昼間に探索するのは効率が悪いので、おすすめとしては、夜中の山中ドライブになります。
ニホンアナグマをあえて探そうと思ったことはありませんが、これまで、夜に全く人気がない山中をドライブして何度かニホンアナグマに遭遇しています。
この方法だと、ニホンアナグマ以外にもシカやノウサギ、イタチなど、様々な動物に遭遇することがあります。
経験上、ニホンアナグマは道路で出会うと道路脇の側溝に高確率で逃げ込みます。
そして、なぜか奥に逃げて行かず、顔を出してこちらの様子を観察していることが多いです。
アナグマは側溝を休憩所として利用することが良くありますので、もしかしたら、側溝に到達した時点で、何か安心感が生まれるのかもしれません。
お互いWIN-WINで撮影し放題です。
まとめ
ニホンアナグマを見つけたいのであれば、夏の夜に山の中をドライブするのがおすすめということでした。
実はニホンアナグマは穴を掘り過ぎて家の地盤をダメにしたり、畑を荒らす害獣と一部でみなされています。
そのため、年間数千匹が駆除されており、このままではレッドリスト入りも時間の問題ではないかと危惧されています。
日本固有の大事な生き物ですし、うまく付き合っていきたいところですね。
最後になりますが、アナグマ以外の哺乳類の生態・見つけ方もこちらで徐々にまとめています。良かったら覗いてみてください。
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