【和歌山】野生のノウサギを山奥で見つけた! 6月の夜の静かなる出会い

夏の訪れを感じる6月の夜、私は和歌山県の山奥深くへと車を走らせていました。朝一からの登山のため、そして、日常の喧騒から離れた、静寂に包まれた自然の営みを垣間見るためです。

夜の山は、昼間とは全く異なる顔を見せます。その中で出会ったのは、私たちの心を温かく包み込んでくれる、野生のノウサギとの貴重な時間でした。


1. 標高500mの山中で待つ生命の輝き

私が訪れたのは、標高500メートルはあろうかという、険しい山の中腹です。曲がりくねった道が続くこのエリアは、夜間、全くと言っていいほど車通りがありません。

6月の山肌は、濃い緑の匂いと湿気を含んだ夜の空気に満ちています。私たちは、この険しい山道をゆっくりと進みながら、ヘッドライトの先に現れる野生動物の姿を探していました。

最初に私を迎えてくれたのは、凛とした姿のニホンジカです。

シカは、車の光に一瞬足を止めましたが、すぐに山へと姿を消しました。

そのあともニホンジカはちょくちょく現れ、その多さを感じさせてくれます。

夜のシカの写真は撮れなかったので翌日の登山中に出会ったニホンジカ

2. ヘッドライトに照らされた、無防備なノウサギ

さらに車を進めると、ふと道脇の少し開けた場所に小さな生き物がいるのを見つけました。

車のヘッドライトを当てたまま、そっと車を止めます。

そこにいたのは、間違いなく野生のノウサギでした。

私が出会ったノウサギは、通常の野生動物が示す強い警戒心を、珍しいほど見せませんでした。車の強力なヘッドライトに照らされ続けているにもかかわらず、その場から逃げようとしないのです。

今までも何度か野生のノウサギに遭遇したことはありましたが、こんなにびくともしないのは初めてです。

私はエンジンを切り、静かにその姿を観察し続けました。ノウサギは、時折耳をピクピクと動かすものの、夢中になって地面の草を食んでいます。

その姿はとても無防備で、山奥という厳しい環境で生きる野生動物からは想像できないほどの、穏やかさに満ちていました。

3. ノウサギの生態と、警戒心が薄かった理由

私たちが長時間の観察を許されたのは、非常に幸運なことです。日本の山野に生息するノウサギは、普段はとても臆病で、わずかな物音にも敏感に反応し、すぐに姿をくらまします。

ノウサギが夜間に活動するのは、彼らが夜行性であり、主に日没から明け方にかけて活発に餌を探すためです。特に夜は天敵に狙われにくいため、安心して活動できる時間帯でもあります。

今回、ノウサギが私たちを警戒しなかった理由としては、いくつかの可能性が考えられます。

  • 周囲の環境への慣れ: このエリアで車の通行がごく稀であるため、彼らが車を「危険なもの」として認識していなかったのかもしれません。
  • 採食への集中: 満腹になるまで食料を得たいという強い本能が、一時的に警戒心を上回っていたのかもしれません。
  • 周囲に天敵の気配がなかった: ノウサギにとって最も危険な捕食者(タカやキツネなど)の気配がなかったため、比較的リラックスしていた可能性も考えられます。

夜の山奥で、ノウサギをじっくり観察できたことは、ほんとにラッキーだったと思います。

4. まとめ:山の夜が教えてくれること

和歌山の険しい山で、偶然出会ったニホンジカ、そして長時間観察させてくれたノウサギ。彼らの静かな営みは、この土地の自然が今も豊かに息づいている証拠です。

都会の喧騒から離れ、少し立ち止まって夜の自然に目を向けると、私たちの知らないところで繰り広げられている、感動的な生命の物語を見つけることができます。

この貴重な出会いを大切に、これからも自然への敬意を忘れずにいたいと思います。

ちなみに奄美大島に行くとアマミノクロウサギという特別天然記念物というウサギに出会えます。

アマミノクロウサギとの出会い方についてはこちらの記事に載せているのでぜひご覧ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です