【完全解説】チョウチョウウオの飼育のコツ【10年の経験】
海水魚の中でトップクラスの人気を誇るのが、チョウチョウウオの仲間たちです。
その美しさはシュノーケリングやダイビングで堪能することはできますが、水槽の中でも非常に映えます。
私の中では、生き物を飼うのであれば、チョウチョウウオをはじめとする海水魚が最も熱いです。
60cm水槽があれば飼育することはでき、設備を整えれば世話もそこそこでいいですが、はっきり言ってチョウチョウウオの飼育は難しいです。
ペットとして人気な他の海水魚、クマノミやスズメダイ、ベラ、フグなんかと比べてもはるかに難しい印象です。
私も10年以上チョウチョウウオを採集・飼育してきて、いまだに理由も分からず死なせてしまうことがありますし、喧嘩などで導入が上手くいかないこともあります。
それでも餌付けはほとんど失敗しないようになり、雑食性の種類であれば安定して飼育できるようになってきました。
その経験から、私のチョウチョウウオ飼育方法やコツをまとめさせていただきます。
我流の部分も多いので、最善ではないかもしれませんが、ご容赦ください。
チョウチョウウオについて
このページに来てくれた方にチョウチョウウオの説明はもはや不要とは思いますが、念のため簡単にご説明します。
チョウチョウウオの仲間は世界で120種類以上、日本にも50種類以上が生息し、観賞魚として高い人気を誇ります。
多くが尖った口吻を持ち、扁平な体つきをします。
鮮やかな黄色を含む色彩の種類が多く、背中には黒い目玉模様(アイスポット)を持ち、本当の目は帯状模様に隠されている種類がほとんどで、これは目の位置を錯誤させることで外敵から身を守るためと考えられています。
食性は雑食、プランクトン食、ポリプ食に分類され、食性に関してはまた以降の章でもう少し解説したいと思います。
食性は飼育においても重要なポイントになります。
産まれたばかりのチョウチョウウオの稚魚はトリクティス幼生と呼ばれ、頭でっかちで独特な体つきをしているのもチョウチョウウオの特徴的な点です。
トリクティス幼生の色彩・体型遷移については下記に詳しく書いてあります。
チョウチョウウオの入手
飼育に向く種類
チョウチョウウオを飼育するにあたって、その種類は非常に重要です。
なぜなら、種類によって飼育・導入難易度が段違いだからです。
種や個体差による違いも多少はありますが、重要なファクターはその食性です。
食性によって餌付きやすさが大きく異なります。
おすすめは雑食性です。
ありがたいことに本州で採集しやすいチョウチョウウオの多くは雑食性で、甲殻類・プランクトン・ポリプ・海藻類など、様々なものをエサと認識してくれるため、比較的容易に人口餌も食べてくれます。
難しいのはポリプ食性やプランクトン食性で、なかなか人口餌に餌付かず、成功率が低いので私は諦めつつあります。
そのため、この記事では雑食性のチョウチョウウオ飼育に限定して飼育方法をまとめています。
代表的な種類について、食性ごとに下記にまとめてみました。
雑食性
チョウチョウウオ、トゲチョウチョウウオ、アケボノチョウチョウウオ、フウライチョウチョウウオ、チョウハン、セグロチョウチョウウオ、ハタタテダイ、ゴマチョウチョウウオ、アミチョウチョウウオ、網目チョウチョウウオ、スダレチョウチョウウオ、カガミチョウチョウウオ、フエヤッコダイ、ミゾレチョウチョウウオ、シラコダイ
ポリプ食性
トノサマダイ、ウミヅキチョウチョウウオ、スミツキトノサマダイ、ミスジチョウチョウウオ、ミナミハタタテダイ、ヤリカタギ、ヤスジチョウチョウウオ
プランクトン食性
カスミチョウチョウウオ
採集する
それでは、雑食性のチョウチョウウオが飼育に向くと分かったところで、チョウチョウウオの入手方法ですが、まずは自分で採集するという方法があげられます。
購入することに比べたら手間も時間も費用もかかりますが、なにより海水魚好きなら絶対に楽しいですし、個体への愛着も湧きます。
美しいチョウチョウウオは日本のあちこちで採集することができ、例えば関東であれば房総半島南部や三浦半島南部、伊豆半島などで採集することができますし、関西であれば紀伊半島南部はその全体が採集ポイントと言っても過言ではありません。
四国や九州でも太平洋側沿岸であれば採集可能です。
南西諸島なんかは言わずもがなですね。
関東や関西で採集できる代表的なチョウチョウウオは下記で紹介しているので、もし「チョウチョウウオを採集してみたい!」と思われたかたはどんなチョウチョウウオが採集できるのか見てみてください。
また、初心者向けのチョウチョウウオの採集方法も下記にかなり詳しくまとめています。
ぜひ参考にしてみてください。
購入する
飼育するチョウチョウウオを入手するもっとも簡単な方法は購入することです。
海水魚を扱っているペットショップであれば高確率でチョウチョウウオの仲間を扱っています。
種類やショップにもよりますが、数千円程度で購入できることが多いイメージです。
ショップで購入するメリットは、すでに餌付いていて、導入が容易なことや、飼育方法をショップの方に聞けることなどがあげられます。
ただ、私は海水魚を購入したことがないため、詳しいメリットデメリットは何とも言えないというのが正直なところです。
チョウチョウウオ飼育に必要な設備
チョウチョウウオ飼育にとって、重要なのは設備です。
誤った設備で飼育すると、どれだけ頑張ってもうまく行きません。
逆に設備を完璧にすれば、世話の手間さえほとんどありません。
ここでは初めてチョウチョウウオを飼育する方向けに、最低限の飼育設備をご紹介します。
こちらに記載のものを揃えれば、あとは適切な世話で長期飼育も可能になります。
水槽
水槽は最低60cmは必要だと思っています。
その理由としては、水量が少なすぎると水質が安定しないためです。
チョウチョウウオは水質に敏感なため、ある程度の水質を維持する必要があります。
また成魚まで育つ可能性を考えると、最低60cmは必要で、それでも狭いくらいです。
本当は90cm以上の方が好ましいですが、一気に重量が増え、扱いづらさや手間が増すことや、配置場所の問題もあり、初心者の方には60cm水槽でのスタートをお勧めしています。
何年も飼育を続けて複数匹の個体が大きくなり、60cmでは狭く感じてきたら90cm、120cmの導入を検討すれば良いでしょう。
ライブロック
ライブロックは水槽の立ち上げの際に重要になるため、導入する必要があると個人的には考えています。
詳しくは後述の「チョウチョウウオ飼育水槽の立ち上げ方」で説明します。
ちなみにライブロックとは、内外に様々な生物が繁殖している死サンゴを指し、ここに棲むバクテリアなどの生物が水質維持に貢献してくれます。
ろ過装置
ろ過装置はチョウチョウウオ飼育のキモになる部分です。
ただし、ベルリンシステムを用いる場合にはろ過装置は不要になります。
ただしこの方法はチョウチョウウオ飼育には不向きなため、まずは王道に従い、ろ過装置を用いましょう。
ろ過装置は大きく4種類に分けられます。
外掛け式ろ過、上部ろ過、外部ろ過、オーバーフロー水槽です。
外掛け式ろ過装置や、上部ろ過装置は、水層の横にひっかけたり、上に乗せたりするろ過装置です。
比較的安価で入手可能ですが、やはり市販品はどうしてもろ過機能が低い印象です。
外部ろ過はその名の通り外付け型のろ過装置です。
ろ過機能が高く、クーラーの設置がしやすいというメリットもあり、60cm水槽であれば、外部ろ過で十分だと思っています。
ただし外部ろ過はフィルターが密閉系になり、酸欠になりやすいというデメリットがあります。
水の吐出口を水面より上にしてしっかり海水中に酸素を溶け込ませるようにするか、外掛け/上部ろ過を併用して酸素を供給できるようにしましょう。
オーバーフロー水槽は中級者以上向けのろ過システムで、説明は省きますが最もろ過機能が高い水槽・ろ過システムになります。
同時に水槽もオーバーフロー専用になり、高価にもなるため、海水魚飼育にずっぷりと浸かったのちに導入するべきシステムかと思います。
私は60cm水槽で以下の外部ろ過装置、90cm水槽でオーバーフロー水槽を用いています。
クーラー・ヒーター
チョウチョウウオは温度にも敏感なため、夏場はクーラー、冬場はヒーターを使って温度を25℃前後に安定させてあげます。
このクーラーが海水魚飼育で非常にお金がかかるところになり、かつ重要な部分になります。
ファンで温度を下げることも可能ですが、温度が安定しないうえに、水の気化熱で温度を下げる仕組みなので、どんどん水分が蒸発していき、塩分濃度が一日で大きく変わります。
つまり、ファンでは水質変動が激しく、魚が適応しきれないことが多いです。
私は夏場の冷却システムをファンからクーラーに替えたことで、魚を夏場に死なせてしまうことがほとんどなくなり、夏場の採集魚の導入もスムーズにいくようになりました。
クーラーは高価なため、購入を躊躇してしまうと思いますが、非常に重要な要素になります。
ちなみに現在は以下のクーラーを60cm水槽に使うことで、水温はかなり安定しています。
上記、外部ろ過装置と併用することでポンプいらずです。
ヒーターはクーラーに比べるとかなり安価に購入できます。
チョウチョウウオは熱帯性の魚類で、寒さには弱いため、ヒーターが無いと日本の冬は乗り越えられません。
自動給餌器
自動給餌器は必ず必要なものではありませんが、あると非常に便利です。
毎日のエサやりが不要になり、しかも設定によっては一日複数回自動餌やりが可能です。
自動給餌器を導入するだけで、日々の世話はなくなり、一週間くらいほったらかしにすることも可能です。
旅行も余裕で行けます。
私は以下の自動給餌器に似たもの(たぶん旧式?)を使っていますが、中身の量に応じて出る量が変わるため、調整が難しいのが難点です。
うまくコントロールして、一日数回、10分ほどで食べきれる量を与えると良いでしょう。
照明
照明も必ずしも必要ではありませんが、やはり海水魚を飼育する以上、ちゃんと観察したい気持ちがありますよね。
照明があると、チョウチョウウオたちを眺める時間の充実度が格段に上がります。
また、点灯時間を設定することでチョウチョウウオたちの昼夜の体内時計を整える役割も期待できます。
下記の照明はスリムな割に全体を明るく照らしてくれます。
その他
チョウチョウウオ飼育をより充実させたい場合は、UV殺菌灯やプロテインスキマーなどがありますが、そのあたりはなくてもなんとかなります。
私はUV殺菌灯についてはあまり効果を実感できず使うのをやめました。
プロテインスキマーは使ったことがありません。
ただ、あればより快適な水槽にできる可能性はあるので、検討してみるのはアリだと思います。
他にも飼育設備に関する設備はいろいろとありますのでぜひ調べてみてください。
チョウチョウウオ飼育水槽の立ち上げ方
チョウチョウウオを含め、海水魚を飼育する上で重要なのが水槽の立ち上げです。
水槽の立ち上げとは何を指すのかと言うと、一言でいえばバクテリアを増やすことです。
バクテリアには有機物を分解する役割があり、海水魚飼育においてなくてはならない浄水システムです。
バクテリアが十分に増えていない水槽では、水質が維持できず、チョウチョウウオが環境に適応できず短命に終わってしまいます。
この章では水槽の立ち上げ方≒バクテリアの増やし方をご説明します。
ステップ1:チョウチョウウオ飼育と同様の環境を整える
まずは上述の設備を揃え、組み立て、海水も入れてください。
海水を作るための塩ついては私は下記のものをずっと使っており、理由は単にこの人工海水で安定した水質を保てており、多くの海水魚を上手く飼育できているためになります。
実際、人工海水の違いがどのように影響するかは分かりません。
そしてろ過装置を始動させ、クーラー/ヒーターで温度も調整します。
バクテリアはこの状態で増やします。
なぜかというと、チョウチョウウオを飼育する環境に適応したバクテリアを増やす必要があるためです。
例えば、魚がいないからと言って冬の冷たい海水でバクテリアを増やした場合、チョウチョウウオを入れて温度を上げると、バクテリアたちが温水に適応できず死んでしまう可能性があります。
バクテリアにも種類があり、チョウチョウウオの飼育環境に適応できるバクテリアを増やす必要があるんですね。
また、バクテリアも生物ですので酸素が供給されないと死んでしまいます。
そういう意味でもろ過装置を稼働し、酸素供給を維持していなければバクテリアは増殖させられません。
ステップ2:ライブロックを投入する
バクテリアは条件がが合えば勝手に増えるとはいえ、そもそも増えるための元が必要です。
ライブロックにはたくさんのバクテリアが付着しており、ライブロックを入れておけば水槽立ち上げの期間を短縮することが可能です。
また、ライブロック自体がバクテリアの棲み家にもなります。
さらに水槽が立ち上がった後にチョウチョウウオが隠れ家として利用したり、表面の有機物をつついて食べ、エサにもなります。
このようにライブロックを入れておくことでメリットは多いので入れておくことをおすすめします。
なお、バクテリアが増えるためには、定着するための場所が必要ですが、上述の外部ろ過装置をセットしておけば、生物ろ過用の多孔質のブロックが入っており、小型の海水魚を数匹飼育する分には十分です。
ただし、当然生体を入れすぎると生物ろ過が追い付かず、水質が悪化していきます。
ステップ3:エサをあげる
バクテリアを増やすためには、バクテリアのエサが必要です。
エサは魚のエサで十分で、少量でいいので毎日水槽に入れてあげます。
すると、ふやけた人工餌はアンモニアに分解されます。
バクテリアはこのアンモニアを亜硝酸塩に分解し、亜硝酸塩を硝酸塩に分解する働きがあります。
気を付ける必要があるのが、アンモニアと亜硝酸塩の濃度で、アンモニアや亜硝酸塩濃度が高いと海水魚にとっては毒になり、チョウチョウウオはすぐに弱ってしまいます。
バクテリアを増殖させることで、アンモニアや亜硝酸塩がほとんどない水槽を作り上げることが大事ということです。
この水槽の立ち上げには1か月以上は見積もるようにしましょう。
チョウチョウウオを導入する
亜硝酸塩、硝酸塩濃度を測定するための簡易キットは安価に購入できるため、定期的に水質をチェックし、亜硝酸塩がほとんどなくなり、硝酸塩が増えたことを確認してからチョウチョウウオを投入するようにしましょう。
チョウチョウウオを導入した後も、気を抜かずに定期的に亜硝酸塩の濃度をチェックします。
魚の数にバクテリア数が追い付かないと、ろ過しきれずに亜硝酸がたまってしまうこともあり、様子を見ながら魚を追加していきましょう。
チョウチョウウオの餌付け
チョウチョウウオの餌付けは私の場合、3ステップで完結します。
なお、この3ステップを行う際は、本水槽ではなく、餌付け用の水槽を用意するのがベターです。
なぜなら、本水槽で餌付けをすると、もともと飼育していた海水魚たちがガツガツいくせいで餌付けしたい魚が近寄れなかったり、広すぎて餌付け用のアサリの存在に気付かないことや、気づいても近づかないことがあります。
また、もともと飼育していた海水魚と混泳させて餌付けをさせると、牽制され、ストレスがたまり、餌を食べるどころではなくなることもあります。
狭い餌付け用水槽を用意すれば、目の前に餌付け用のアサリが現れ、食べることだけに集中できます。
以下の商品のような、外掛け式多目的飼育ケースを餌付け用に用いると、新しい水槽を立ち上げる必要もなく、区分けできるので便利です。
ステップ1:アサリを食べさせる
まずはアサリを食べさせるところから始まります。
あげるアサリは、チョウチョウウオの小さな口で食べられるように、細かく刻み、ミンチ状にしてあげます。
この際、刻んだアサリをばらまくとにおいが分散したり、海水の急激な汚染にもつながります。
そのため、刻んだアサリを貝殻に戻して、冷凍し、凍ったままあげることで、水質悪化防止や食欲増進に繋がります。
アサリは非常に嗜好性が高く、チョウチョウウオの食いつきはかなりいいです。
同時に水も汚れやすいので、餌付けの間は3日~5日に一回ほどのペースで水替えをするようにしましょう。
また、食べきれる量であればいいですが、餌付け対象のチョウチョウウオの大きさ・数に対してアサリが多すぎるようであれば、タイミングを見計らって取り出しましょう。
食べないのにずっと入れておくと水質が悪化してしまいます。
ステップ2:人工餌入りのアサリを食べさせる
アサリを食べたら、次は人工餌入りのアサリを与えてみます。
どのように作るのかというと、アサリのミンチに人工餌を1:1くらいで混ぜて、貝殻に戻し冷凍します。
一度アサリを食べたチョウチョウウオは、高確率でこの人工餌入りのアサリにも食いつきます。
ちなみに、チョウチョウウオ飼育において、私は複数種のエサを併用していますが、下記の人工餌がメインです。
理由は導入したばかりの個体でも食いつきがいい気がするからです。
ステップ3:人工餌を食べさせる
人工餌入りのアサリを食べたチョウチョウウオは人工餌を食べることが多いです。
ただ、慣れもあるので、すぐには食いついてこないこともあります。
人工餌を食べない場合は、人工餌入りのアサリをあげつつ、人工餌もあげると、ちょっとずつつついてくれるようになります。
人工餌入りアサリの人工餌の割合を上げるのも一つの手です。
餌付けのまとめ
基本的にはステップ1~ステップ3までを行い、順調に進めば3日前後で終了します。
中にはどこかのステップで食べなくなる個体もいるため、その場合はその前後のステップを繰り返すようにしています。
雑食性で、このステップで餌付かない場合は、ストレスを感じている場合が多い印象で、しっかり餌付けだけに集中できる環境づくりをしてあげると良いと思います。
また、アサリに見向きもしないくせに人工餌を食べる個体なんかもいたりするので、上手くいかなくてもいろいろ試してみるのがいいです。
導入から餌付けの期間が最もチョウチョウウオが弱りやすい期間で、エサをバクバク食べてくれるようになれば、あとは安定して飼育できるようになってきます。
逆に餌付けに時間がかかりすぎて満足にエサを食べられなかったり、導入のストレスが大きいとチョウチョウウオは簡単に白点病を発症してしまい、そのまま死んでしまいますので、そうならないよう頑張りましょう。
チョウチョウウオの日々の世話
上記の設備を整えた場合は、チョウチョウウオの日々の世話は一週間に一度の水替えと、一か月に一度のろ過装置の掃除だけで基本的にはOKです。
魚の密度などにもよるため、柔軟に頻度は変えてください。
あとは自動給餌器へのエサの補給と、適切にエサが出ているかを定期的に確認し、水質を定期的にチェックするくらいになります。
水替えは全水量の3割程度を目安に行います。
一気に半分以上の海水を交換すると、急激な環境変化で魚が弱ってしまうことがあります。
チョウチョウウオの混泳
チョウチョウウオの飼育で難しいポイントの一つが、他種との混泳です。
海水魚を飼育するからには、色とりどりの魚が泳ぐ水槽を夢見ますよね。
ただし、海水魚はものすごくけんかっぱやいです。
縄張りを主張し、同居している魚を攻撃する種が多く、チョウチョウウオもその傾向が強いです。
そのため、複数匹を同じ水槽に入れると、喧嘩している姿をよく見ます。
喧嘩が続けば、高確率でそのどちらかがお亡くなりになります。
ただし、その喧嘩の多くが同属・同種とのものです。
例えば、同サイズのトゲチョウチョウウオを二匹入れると高確率で大喧嘩をしますが、これがトゲチョウチョウウオとチョウハンとなると、その喧嘩は少し軽いものになります。
また、トゲチョウチョウウオとサザナミヤッコのようにかなり離れた種類になるとほとんど喧嘩をしなくなります。
そのため、例えばトゲチョウチョウウオとサザナミヤッコとクマノミとカンムリベラのように種が大きく異なる複数種の海水魚を飼育すると、平和な水槽が出来上がる可能性が高いです。
あとは同種でもサイズの違いが顕著だと喧嘩しづらくなる印象です。
おそらく自分より全然大きな相手には何もできないし、自分より全然小さな相手など眼中にないということでしょう。
まず前提として、同種同サイズの混泳は避けるべきです。
失敗する例が多いです。
同属の混泳(例えばトゲチョウチョウウオとチョウハンとハタタテダイ)は上手くやれば可能となります。
喧嘩してしまう場合に鎮静化させるコツをいくつかあげてみましょう。
レイアウトを大きく変える
チョウチョウウオ同士の喧嘩は、基本的に先住の個体が有利です。
もともといた個体のほうが新しい個体より小さかったとしても、攻撃することもあります。
そのため、レイアウトを大きくいじり、「もともといた個体」、「新しく来た個体」という関係性をリセットし、どちらの個体にとっても新しい環境を整えることで、喧嘩しなくなることがあります。
いじめている個体を隔離する
次にいじめている個体をしばらく隔離するという方法があげられます。
これも先住民有利理論を逆手に取った方法で、いじめる個体を一週間くらい隔離して戻したところ、新しく入れた個体と先住の個体の関係性が逆転し、喧嘩がなくなったことがあります。
いじめている個体といじめられている個体を狭いケースに同居させる
チョウチョウウオが喧嘩をする理由はテリトリーを主張するためです。
そのため、テリトリーを主張できないほど高密度で飼育すると喧嘩しなくなることがあります。
高密度と言うのは、要するに狭い空間に複数匹をいれることになります。
海水魚ショップでは一つの水槽にたくさんの個体を入れていますが、喧嘩は起こっていませんね。
あれは水槽の広さに対して魚が多すぎることでテリトリーが主張できないため、魚たちがテリトリーを放棄することで実現されています。
賛否両論ある方法ではあると思いますが、私はこの方法で混泳が上手く行ったこともあります。
混泳のまとめ
混泳を上手くやるコツをいくつか並べてみましたが、結局いまだに混泳に成功させられないことも多いです。
どうしても相性が合わないと、何をしても喧嘩します。
上記方法を試してもうまくいかないこともあります。
日々試行錯誤です。
また、チョウチョウウオはサンゴ礁に生息するため、サンゴ水槽に入れたいと思われると思います。
これは絶対にNGで、雑食性のチョウチョウウオはサンゴをエサと認識するため、つつき殺してしまいます。
チョウチョウウオの病気
チョウチョウウオは病気にかかりやすい種類です。
代表的な病気は白点病で、ストレスがあったり、弱っていると簡単に発症してしまいます。
そして白点病がひどくなると、確実に死んでしまいます。
逆に、上述の方法で飼育し、元気な状態をキープできれば、白点病を発症することはほとんどありません。
白点病を防ぐためには殺菌灯が必要と言う声もありますが、経験上、殺菌灯があってもストレスがあれば発症しますし、殺菌灯がなくてもストレスがなければ発症しないと思っています。
いずれにせよ、チョウチョウウオにとって快適な環境をキープすることこそが、最も重要な予防になります。
まとめ
今回、チョウチョウウオの飼育方法をこれまでの経験に基づいてまとめてみました。
ここでまとめた方法を使えば、チョウチョウウオ以外のかなり多くの海水魚種の飼育に応用できます。
チョウチョウウオはストレスも感じやすく、病気にもかかりやすい、飼育が難しい種ではありますが、最低限のルールだけ守って飼育すればかなり安定して飼育することが可能です。
とはいえ、海水魚飼育をチョウチョウウオでスタートするのは難しい部分もあるため、まずはクマノミなどの飼育が容易な種で始めてみるのがおすすめです。
ただし、あくまで個人的な主張も多々含まれているため、間違っている点や、もっと適切な飼育方法があればぜひご教授いただきたいです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません