和歌山にも天然記念物「オカヤドカリ」がいる!?
海に行くと磯にたくさんのヤドカリがいますが、陸地をメインとして生活するオカヤドカリというヤドカリもいます。
日本では沖縄などの南西諸島に主に生息しており、沖縄の海岸では夜になるとたくさんのオカヤドカリを観察することができます。
このオカヤドカリ、南西諸島では希少性は高くありませんが国の天然記念物に指定されています。
そして、熱帯の生き物かと思いきや、実は本州でも観察することができるのです。
オカヤドカリの分布
オカヤドカリは日本に7種類が分布しており、おもに小笠原諸島と南西諸島に分布します。
しかし、黒潮に乗って漂流してきた幼生が、一部本州にもやってきて定着していることが知られています。
本州では紀伊半島南部、ほかにも四国や九州の南部にも生息が確認されています。
和歌山の個体は、ほとんどが南西諸島から漂着した個体で、和歌山での繁殖はしていないと考えられています。
死滅回遊魚と似たような現象です。
ただし、今後温暖化が進み、海水温が上がれば、和歌山にいるオカヤドカリたちが繁殖できるようになり、一気にその数を増やす可能性も考えられます。
現時点ではオカヤドカリの分布は紀伊半島西側とされており、西側のほうが黒潮の影響を受けやすいためと推測されます。
和歌山にいるオカヤドカリを見つける
串本では沖縄ほどオカヤドカリが多いわけではありませんが、見つけるのはそれほど難しくはないと思います。
私はオカヤドカリを狙って探したことはありませんが、彼らは探さなくても出てきます。
8月前半に串本付近に行った際は、串本で二匹、すさみで一匹のオカヤドカリと出会いました。
串本の漁港では、夜に魚を観察していた時に、アスファルトの上を歩いている個体を見つけました。
裏に海岸があり、そこから移動してきたものと思われます。
すさみでは朝、海の脇の林の中を散歩していた時に出会いました。
どちらも偶然の出会いでしたが、道に出てきていたので簡単に見つけられました。
ちなみにこの時にいたオカヤドカリは全てムラサキオカヤドカリでした。
探し方
オカヤドカリの探し方ですが、まず暖かい時期のほうがいいです。
20℃を下回る気温になると行動しなくなり、冬眠状態に入ります。
夜行性なので、夜に串本南西部の海岸で探してみると歩いている個体を見つけられるかもしれません。
海浜植物があれば、その近くにいる可能性は高いです。
オカヤドカリが動くとカサカサと音が聞こえることもあるので、夜の静寂の中、音を頼りにしても効果的でしょう。
捕まえるのはNG
見つけても決して捕まえてはいけません。
オカヤドカリは天然記念物のため、触ったり捕まえたりすると文化財保護法違反となります。
よくペットショップでオカヤドカリが販売されているところを見ると思いますが、あれは国から特別に採集の許可を得た業者から仕入れているものです。
見つけても、写真を撮って記録に残すに留め、どうしても飼育したい場合はペットショップなどで購入しましょう。
購入は当然合法です。
かなり安価で購入できます。
まとめ
今回は和歌山の一部に生息する天然記念物、「オカヤドカリ」を紹介しました。
それほど珍しいわけではないと思いますので、興味があったら探してみてください。
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