ナンヨウツバメウオ【採集と飼育】
ナンヨウツバメウオは枯葉に擬態し、海を漂うことで有名なお魚です。
幼魚のうちはものすごーく特徴的なフォルムをしており、非常に縦に長い、つまり体高が高くなる魚になります。
主に沖縄などの暖かい海に生息していますが、幼魚は黒潮の流れに乗って、関東や関西の漁港にも流れ着きます。
死滅回遊魚(季節来遊魚)の一種と考えていいでしょう。
つまり、関東や関西、例えば三浦半島、房総半島、伊豆半島、紀伊半島などで捕まえることができる魚になります。
今回はこのナンヨウツバメウオを採集する方法と、飼育する方法について簡単に解説します。
フォルムが格好良く、捕まえやすく、飼育もしやすいので海水魚飼育の初心者さんにもおすすめです。
ナンヨウツバメウオの採集
ナンヨウツバメウオを採集するにあたっては、漁港での採集がメインになります。
磯ではめったに出会えません。
1.5~2メートルくらい伸びるタモ網を持って漁港に出かけましょう。
はじめに言っておくと、ナンヨウツバメウオの採集にテクニックはほとんどいりません。
見つけることさえできれば、高確率で捕まえることができます。
時期と場所
まず、ナンヨウツバメウオは夏~秋にかけて漁港に集まるので、8月~9月くらいの時期に漁港に行きます。
場所は関東であれば房総半島南部、関西であれば紀伊半島南部の漁港がおすすめです。
見つける方法
そしてひたすら枯葉っぽいものを探していきます。
ナンヨウツバメウオは枯葉に擬態して漁港内の水面に漂っているので、水面に浮かぶ枯葉っぽいものをチェックしていきます。
はじめのうちは枯葉と見分けが付きづらいのかもしれませんが、実際は全く違うのと、特徴があるので、慣れると一瞬で分かります。
そのため、事前にたくさんナンヨウツバメウオの写真を見ておくと、すぐに判別することができると思います。
簡単に見つかる魚ではありませんが、頑張って探せばきっと見つかるはずです。
漁港によってはナンヨウツバメウオが集まりやすい漁港もあり、一か所で数十匹見られることもあります。
採集方法
ナンヨウツバメウオの採集はそれほど難しくなく、下手に刺激しないようにタモ網でゆっくり掬いあげましょう。
彼らは逃げようと思えばそれなりのスピードで逃げることができますが、基本的には自分たちの擬態に自信を持っているようで、網を近づけるくらいでは逃げません。
刺激しないようにそっと掬い上げましょう。
飼育方法
ナンヨウツバメウオの飼育は比較的容易です。
チョウチョウウオ飼育に関して詳しくまとめた下記の記事と基本的には同じやり方で大丈夫ですが、チョウチョウウオより飼育は容易ではるかに餌付きやすいです。
ただし他の海水魚同様、同居する魚を攻撃することがあるので、他の海水魚との混泳は注意が必要です。
とはいえ、気性があらいというイメージもなく、ミノカサゴやチョウチョウウオ類などとも混泳させましたが、たまにちょっかいかけるくらいで特に喧嘩もありませんでした。
何より縦に長いせいでライブロックの隙間に隠れた相手には手を出せないというのはいいですね。
飼育セットとしては、大きめの水槽とろ過装置を用意して水質・水温を維持してあげれば基本的にはOKです。
餌付けも簡単で、割とすぐにフレークを食べるようになります。
問題は成長速度で、下の画像のように、はじめは60cm水槽内で存在感がないくらいの大きさだったのに、1か月もすると水槽が狭そうにしか見えないくらい大きくなってしまいました。
飼育した魚のリリースには賛否ありますが、経験としてひと夏飼育してリリースするというのも個人的にはありだと思います。
まとめ
今回はナンヨウツバメウオの採集方法と飼育方法をまとめてみました。
どんな採集家にも好かれる魚です。
飼育しないまでも、どんなふうに擬態しているのか一度その目で見ていただきたいです。
また、海水魚探索・採集に関する記事はこちらでまとめているので良かったらご覧ください。
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