キョンの生態と見つけ方【外来種の鹿】
日本の哺乳類は外来種がかなり増えていますが、このキョンもその一種です。
小さなシカの仲間で、小さく非常にかわいらしい動物です。
主に日本では房総半島で増えてしまっている種で、駆除活動も行われています。
農作物への被害が多発しているのでしょうがない側面はありますが、やっぱりかわいそうにも感じてしまいますね。
人間の都合でこんな島国に連れてこられ、あげくには害獣として駆除されてしまうなんて、、、
今回はそんなキョンというシカについて、どんなシカなのか、そして野生のキョンはどこで見ることができるのかをご紹介しましょう。
キョンについて
学名:Muntiacus reevesi
分類: ウシ目(偶蹄目)シカ科ホエジカ属キョン
体長:47~70cm
体重:12~16kg
分布: 房総半島(千葉県)、伊豆大島(東京都)
特徴は目の上の黒い模様で、茶褐色の小さなシカの仲間です。
もともとは中国や台湾に自然分布している種で、日本に移入され野生化してしまった種です。
1980年頃に千葉県勝浦市にあった飼育施設より逃げ出し、年々数を増やしていき、現在では数万頭にまで増えてしまっています。
さらに生息地も徐々に増やし、現在では県境まで移動する個体がいるようです。
とはいうものの、基本的単独行動なので、生息域の広がりはそれほど早くありません。
しかもメスは生まれた場所からあまり移動しないというデータもあります。
伊豆大島では房総半島よりさらにはやい、1970年頃に飼育施設から逃げ出し、島内で徐々に数を増やしていき、現在では1万~2万頭にまで増えているということです。
このように問題になっているキョンですが、その毛皮は高級セーム革、肉は高級ジビエとして利用価値も豊富です。
キョンの生態
行動
草木が生い茂った場所や森の中を好み、朝や夕方、夜に行動します。
主に単独行動を好むシカで、犬が鳴くような、人が叫ぶような声で鳴きます。
結構鳴き声は激しいのでびっくりします。
吠えるからホエジカなんですかね。
寿命は10~13年ほど。
餌
柑橘系の葉っぱやハーブ、イネ、植物の新芽や木の実や果実などの植物食が主ですが、時にネズミや鳥類も食べる雑食性になります。
繁殖
繁殖期は特にありませんが、初夏に出産することが多いと言われています。
7か月ほどの妊娠期間を経て、通常は一度につき一匹の出産を行います。
そして、2か月間の授乳期間を経て、メスは半年もすれば、出産可能な体にまで成長します。
これが増殖スピードが速い理由ですね。
キョンの見つけ方
まずキョンを見つけるためには房総半島か伊豆半島に行くことがマストとなります。
アクセスの容易さから言えば、房総半島南部がベターでしょうか。
房総半島で生息数が多い場所は勝浦市、大多喜町、鴨川市、いすみ市です。
また、彼らは森の食べ物が少なくなった冬場に人里に姿を現します。
つまり、冬、勝浦市、大多喜町、鴨川市、いすみ市あたりの房総南部の森の近くの道路や林道、畑の近くを探せば高確率で遭遇できます。
また、これらの市の全域に生息するものの、高密度で生息する場所とほとんどいない場所があるので、車などで広域的に探すのがベターです。
あと、注意点として、キョンはニホンジカの子供よりもさらに小さいので、よく見ないと、いても見逃してしまうかもしれません。
まとめ
キョンを見つけたければ、勝浦市、大多喜町、鴨川市、いすみ市あたりの房総南部に冬に行くことが良いということでした。
部外者からしたらキョンはただのかわいい動物ですが、現地の農家の方々にとっては憎き敵になります。
そのあたりをしっかり認識したうえで、不謹慎な言動は慎んだうえで、野生のキョンを見に行きましょう。
最後になりますが、キョン以外の哺乳類の生態・見つけ方もこちらで徐々にまとめています。良かったら覗いてみてください。
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