日本のカメ3種の見分け方
日本(ここでは本州、四国、九州を指します)では良くカメが日向ぼっこしている光景が見られます。
このときに見られるカメは、基本的にはミシシッピアカミミガメ、クサガメ、イシガメの3種のいずれかになります。
この3種類、結構似ていて、カメを知らない人が見分けるのは意外と難しいです。
今回はこの3種類を比較したときのそれぞれのカメの特徴を説明します。
みなさんもぜひ見分けられるようになってくださいね。
それぞれのカメの特徴
ミシシッピアカミミガメ
ミシシッピアカミミガメは北アメリカ原産の外来種で、現在日本で最も目にするカメです。
警戒心が強く、性格は荒く、捕まえると噛みついてくることが多いです。
他のカメと比べた時の特徴としては、まず目の後方の赤いラインです。
このラインが目に入ればすぐに本種と同定できます。
また、頭、首、手足に黄色いラインが入ります。
腹側が白ベースなのも特徴で、黒いイシガメ、クサガメと区別できます。
ミシシッピアカミミガメの雄は黒化することで最大の特徴である眼の後ろの赤い模様が消えてしまうことがあり、見分けづらくなります。 ⇒ 黒化した個体を見つけた記事はコチラ
クサガメ
クサガメは長年、日本在来種と思われてきましたが、近年は朝鮮・中国からの外来種であると考えられています。
ちなみに、クサガメの”クサ”は草ではなく、臭で、身の危険を感じると臭いにおいを出すことからついた名前です。
首に黄色い模様があることが特徴の一つですが、ミシシッピアカミミガメと同様に雄は成熟に伴い黒化します。
最大の特徴は甲羅の3本キールで、甲羅の中央と左右に3本の線のような盛り上がりがあります。
このキールはすり減ってしまうことで分かりづらくなることもありますが、クサガメを判別するための最大の特徴になります。
クサガメの腹側は真っ黒で、白い線が入ることが特徴です。
これもミシシッピアカミミガメとの大きな違いですね。
ニホンイシガメ
ニホンイシガメは本日見分け方を紹介する3種の中では、唯一の在来種です。
ミシシッピアカミミガメやクサガメとの生存競争により、どんどん数を減らしており、また、クサガメとの交雑も問題になっています。
見分ける最大の特徴は甲羅の形にあり、甲羅後部がギザギザしています。
これは先述したミシシッピアカミミガメやクサガメにはない特徴です。
腹側はクサガメ同様黒です。
もう一つの特徴は目で、ミシシッピアカミミガメとクサガメは瞳周りに白い模様が入るのに対し、イシガメは瞳周りも黒っぽく、大きな黒い目に見えます。
キュートですね。
その他のカメ
今回は日本(本州、四国、九州)で良く見られるカメの見分けかたをご紹介していますが、この3種以外にも当然カメはいます。
例えば上の画像のニホンスッポンは鼻先がとがっている独特の形状と、柔らかい甲羅を持ち、見分けるのが容易な在来種です。
ただし出会う機会はあまりありません。
他に本州で出会う可能性があるカメとしては、関西で見られるミナミイシガメがあげられます。
かなりレアですが、大阪・京都・滋賀あたりでは見つけられる可能性もあります。
そして、種ではありませんが、ニホンイシガメとクサガメの交雑種はウンキュウと呼ばれます
クサガメ・イシガメとの区別が難しい個体が多く、両種の特徴を併せ持ちます。
また、危険なカメとして千葉県印旛沼に自然繁殖しているカミツキガメやワニガメも外来種として国内で発見されることがあります。
南西諸島にまで目を向けると、沖縄諸島に生息するリュウキュウヤマガメ、石垣島や西表島などに生息するヤエヤマイシガメ、ヤエヤマセマルハコガメが在来種として知られます。
あとはペットとして持ち込まれたカメが外来種として見つかることがあります。
それ以外はウミガメ類くらいでしょうか。
まとめ
今回は日本(本州、四国、九州)のカメ3種の見分け方をご紹介しました。
大体の個体はミシシッピアカミミガメだと思っておき、甲羅後部にギザギザがあったらニホンイシガメ、3本キールがあったらクサガメと覚えておくくらいでいいと思います。
怪しい個体がいたら捕まえてじっくり観察してみてください、と言いたいところですが、日向ぼっこしている個体を見つけても近づくとすぐに逃げられてしまうのでなかなか捕まえるのも難しいですよね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません