【サンショウウオ】神秘の大自然、徳島県剣山で探索【2019年夏】
香川県綾川町を堪能した夜、剣山のリフト乗り場がある見ノ越パーキングまで行き、そちらで夜を越し、朝一の6時前から山に入りました。残念ながら雲が濃く、全くと言っていいほど景色は見えませんでした。
とはいえ、壮大な自然を感じることができ、様々な生き物たちにも出会うことができたのでご紹介します。
夜の山中ドライブ
20時過ぎから、剣山系の山道に入り、ゆっくり寄り道しながら車を走らせ、22時過ぎに見ノ越パーキングに到着しました。
後続車も対向車も全く出会わず、真っ暗闇の中、非日常感がすごかったです。また、星もきれいでした。
二ホンアナグマ。日本固有種の哺乳類。
夜の山道におり、近づいたら側溝に隠れました。今回は2匹発見。
夜行性で夜になると活発に活動します。
道の途中の看板。剣山には哺乳類36種が生息している模様。
カマドウマの仲間。
カマドウマは便所コオロギとも呼ばれるキリギリスの仲間です。
夜のブナ林のあちこちで見られました。
さらに下位分類ではキュウシュウジカ。
シカも何頭か見られ、道路の真ん中にいたりもしました。
夜山道を運転するときは、注意を怠るとシカと衝突します。
見ノ越パーキングに到着。
自動販売機には昆虫が大量に集まっています。
剣山登山
5時過ぎに起きての登山。
他にも早朝登山の方がちらほらとおり、下山してくる方々もいました。
コウガイビル。
ヒルとは名が付きますが、ヒルではなくウズムシ目に属しており、プラナリアの親戚です。
そのため吸血はしません。
おそらくコクワガタのメス。
すでに標高1500メートルは超えていますが、コクワガタはかなり高所でも発見されることがあります。
こんな感じの割と危険な道を進んでいきます。
途中人が一人通れるぐらいの細い縦穴があったので入ってみました。
中はこんな感じ。
頂上は雲なのか霧なのか、非常に濃い水蒸気につつまれており、景色は残念ながらほとんど何も見ることができませんでした。
また、高山の頂上ということもあり、風が異常に強かったです。
シーボルトミミズ。日本最大のミミズです。
西日本にいるミミズで、ウナギ釣りの餌にもできるそう。
30センチ弱ほどの個体でしたが、同サイズのものをもう一匹見つけました。
剣山の渓流
帰りはサンショウウオ探索をかねて、渓流の様子を見ながら帰りました。
昨晩シカの群れがいた場所。
この時間帯はいないみたい。
カワゲラの幼虫。源流域の水たまりにて発見。
カワゲラは水中で幼虫の時期を過ごし、大人になると羽を手に入れ、陸上で生活するようになります。
サンショウウオの幼生。
四国の剣山系の源流域には3種類のサンショウウオが生息しています。それぞれイシヅチサンショウウオ、コガタブチサンショウウオ、シコクハコネサンショウウオと呼ばれ、類似の環境に生息します。
こちらの個体はイシヅチサンショウウオかコガタブチサンショウウオのどちらかであると思われます。
なお、このあたりの流域では10匹弱ほどのサンショウウオの幼生を確認しましたが、成体は見つけることができませんでした。
まとめ
四国の自然を見に行くなら、剣山系ははずせないということで、今回は剣山に登ってきました。
朝5時スタートの登山だったこともあり、登山者が前後にあまりおらず、神秘的な雰囲気を感じながら登山を満喫できました。
剣山系は四国で唯一のツキノワグマ個体群の生息地であり、ヤマネやヨタカなども暮らしています。
今回も幼生の観察は行えましたが、剣山と言えば、注目すべきはサンショウウオで、イシヅチ、コガタブチ、シコクハコネといった流水性のサンショウウオが生息しています。
サンショウウオの成体を森の中で探すのはかなり難度が上がるため、雨の中の林道採集がベストでしょうか。
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