奄美大島で憧れのヒャンを探す【2021年夏】
夏の奄美大島で日本に生息するコブラであるヒャンを探してきました。
憧れのヘビだっただけにレアなイメージが強く、なかなか出会えない覚悟をして挑みましたが、探し始めて数時間であっけなく見つかってしまいました。
じっくり観察してきたのでヒャンのことや探し方などを解説していきます。
なお、ヒャン探しをはじめとした奄美大島の夜の生き物探しの方法についてはこちらの記事にまとめているため、よかったらご覧ください。 ⇒ 奄美の夜の生き物を探す方法
ヒャンとは
日本にはたくさんのヘビがいますが、その多くがナミヘビ科で、アオダイショウやヤマカガシ、ヒバカリなんかもここに含まれます。
毒蛇として有名なマムシやハブはクサリヘビ科で、多くのヘビがこの2つの科のいずれかに分類されますが、ヒャンは違います。
実はヒャンは日本では珍しいコブラ科のヘビになります。
ちなみに日本に住むコブラ科は他にハイとイワサキワモンベニヘビだけになります(クメジマハイは近年ハイと同一種であると考えられている)。
ヒバカリ程度の大きさの小さなヘビで、マックスサイズでも60cmほどです。
環状の黒色斑があり、それぞれをつなぐように背側の正中線に黒い縦線が走ります。
黒い縦線は横に入ることもあるようです。
広葉樹林など植物が多く湿潤な環境を好み、餌となるヘリグロヒメトカゲやブラ―ミニメクラヘビが生息する落ち葉の堆積地帯などに潜んでいるようです。
コブラというだけあり、有毒ですが、口が小さく、人に嚙みつくこともほとんどないため、被害例はこれまで報告されていません。
ただし、地元の方々はヒャンを見つけても触らないそうで、おそらく昔痛い目にあった方がいて、その教訓が生き残っているのではないでしょうか。
ちなみにヒャンを含むコブラ科は特定動物であり、愛玩目的での飼育は禁じられています。
ヒャンの探し方
今回、ヒャンを探すにあたっては夜の路上を探しました。
ヒャンは昼夜行動するようですが、夜のほうが目撃例は多いので、夜行性のほうが強いのではと思っています。
夜の舗装された山道を運転して、カエルやヘビ、アマミノクロウサギなどを観察しているときに、小さなヘビを見つけて、「あ!ヒャンだ!」となりました。
小さいヘビではありますが、狙っていた種でしたので、夜の動く車の中からでも種の同定ができました。
今回は奄美大島北西部の海のすぐそばの山道で発見しましたが、見つけたのは一匹だけなのでヒャンの密度が濃い地域なのかは分かりませんでした。
ヒャンは数が少ないともいわれており、隠れている個体を見つけ出すのはかなりの難易度であると想定されるため、路上など分かりやすい場所に出てきた個体を探すほうが効率的な気がします。
それでももちろん簡単ではないと思いますが、、、
ヒャンの観察
ヒャンは毒蛇ですので、念のため素手で触ることは避けたほうが良いです。
ただし今回は様子を見て、噛んでくる気配がないことを確認して、素手で触っています。
大人しいヘビで、噛んでくることはないですが、尻尾の先を押し付けてきました。
これがヒャンの威嚇方法で、ブラ―ミニメクラヘビとも共通します。
じっくり見ると色はアカマタとよく似ている気もします。
逃げるスピードも決して速くはなく、毒があるがための余裕かもしれません。
数分ほど観察して、道路脇の森に逃がしてあげました。
まとめ
今回、奄美大島で憧れだったヘビ、ヒャンに出会えたためヒャンについてとその探し方をまとめました。
野生のコブラと触れ合える機会はなかなかないため、奄美大島に行ったら探してみてはいかがでしょうか。
また、ヒャン以外の奄美大島のヘビについてはこちらにまとめていますので良かったらご覧ください。 ⇒ 奄美大島のヘビ全8種【世界自然遺産】
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