奄美大島の両生類全11種

奄美大島の両生類全11種

奄美大島は世界自然遺産に登録されるほどの、美しい自然がたくさん残る島です。

そこにはアマミノクロウサギをはじめとした貴重な固有種や、天然記念物に指定される貴重な生き物も多いです。

そして、今回の主役となる両生類も豊富です。

日本一美しいと言われるアマミイシカワガエル、生きた化石とも言われるイボイモリなど多くの珍しい種が生息しています。

ここでは奄美大島に生息するカエル9種、イモリ2種、併せて全11種の両生類を紹介していきます。

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アマミイシカワガエル

アマミイシカワガエル
アマミイシカワガエル

アマミイシカワガエルは奄美大島にのみ存在する、日本一美しいと言われるカエルです。

鮮やかな黄緑色の体色に褐色や黒色の斑紋があり、一見目立ちそうですが、草むらやコケの上などでは迷彩となってかなり見つけづらくなります。

国内希少野生動植物種や県の天然記念物にも指定されています。

ヒキガエルのような、手のひらなみの大きな個体もおり、出会うと感動する一種です。

夜の山道ではたまに路上で発見できるので、源流域の近くなどで探してみてはいかがでしょうか。

アマミハナサキガエル

 アマミハナサキガエル
アマミハナサキガエル

アマミハナサキガエルは夜の路上で最も目立つカエルかもしれません。

夜の路上のど真ん中で姿勢よく立ちすくんでいる姿はよく目にしました。

県の天然記念物で、奄美大島と徳之島に分布します。

ほっそりとしてスタイルのいいカエルで、足も長く、ジャンプ力もあり、路上脇から真ん中まで急に飛び出てくることもあるため、夜の運転には細心の注意が必要です。

色は茶色だったり緑だったりバリエーションに富み、まだら模様が入る個体も多いです。

鼻孔が顔の先端についていることから、アマミハナサキガエルと名付けられています。

オットンガエル

オットンガエル
オットンガエル

オットンガエルは奄美版ヒキガエルと言ってもいいようなフォルムのカエルです。

ただし、良く見るとヒキガエルのような耳腺もなく、逃げ足も速いです。

夜の山道にちょくちょく姿を現し、特に雨の夜に多いイメージでした。

逃げ足が速いと言っても、基本的には逃げないので撮影はしやすかったです。

県の天然記念物に指定されています。

ヒメアマガエル

ヒメアマガエル
ヒメアマガエル

ヒメアマガエルはそれほど有名なカエルではありませんが、私が奄美大島で観察したかったカエルの一種です。

奄美大島や南西諸島に生息する日本固有種で、個体数は多いと思われますが、小さいことや、体色が地味なことから、見つけるのは意外と難しいです。

路上に出てきた個体も見ましたが、水たまりや湿地などでは一度に多くの個体を見ることができましたし、重なり合ったペアも観察することができました。

ヒメアマガエル科に分類されているカエルで、ほかのカエルとは違って体に対する顔のサイズが小さくかわいく、おまんじゅうみたいなカエルです。

リュウキュウカジカガエル

リュウキュウカジカガエル
リュウキュウカジカガエル

リュウキュウカジカガエルはおそらく奄美大島でもっともたくさん見ることができたカエルです。

水たまりがあればあらゆるところに生息し、港の船の中の雨水だまりなどでも産卵していました。

しかも数が多く、一匹見つけたら周りのあちこちにいることが多かったです。

色は黄色かったり、褐色だったり、白っぽい個体がいたりなど、様々でした。

サイズは小さく、上述のヒメアマガエルより一回り大きいくらいですが、本州のカジカガエルよりは小さいです。

アマミアカガエル

アマミアカガエル
アマミアカガエル

奄美大島と徳之島に生息する日本固有種のカエルで、本州のニホンアカガエルにもよく似ています。

本州のアカガエル類と同様、林床などで良く見られるということですが、数はそれほど多くないように感じました。

ハロウェルアマガエル

奄美と沖縄版アマガエルです。

平地に多い種ということですが、山ばっかり行っていたこともあるのか、今回は観察できずでした。

ニホンアマガエルよりも足が長く、スタイルが良いアマガエルです。

アマミアオガエル

奄美と徳之島版のアオガエルです。

モリアオガエルのように樹上に卵のうを付けたり、シュレーゲルアオガエルのように地面に卵のうをつけたりするようです。

今回は出会えませんでしたが、樹上やクワズイモの葉の上などで見つけることができるようです。

ヌマガエル

ヌマガエル
ヌマガエル

こちらは本州でも見られるヌマガエルです。

奄美大島では水田や池の近く、なぜか海の近くなどでも見かけました。

アマミシリケンイモリ

 シリケンイモリ
シリケンイモリ

尻尾が剣のように見えることからシリケンとつくイモリです。

本州に生息するアカハライモリより大きくなり、最大で20cmほどにもなります。

水がたまった側溝や、池、水田など水さえあればあらゆるところにいました。

しかも一匹いると大量にいることが多かったです。

捕まえようと思えば1000匹くらい捕まえられたのではないかと思うほど、いくらでもいました。

また、陸地でも良く見られ、路上を歩いている個体や、倒木の下などでも見かけました。

アカハライモリのように、腹側は赤かったりオレンジ色だったりしますが、背中側にも色が出る個体もいました。

それと、小さなかわいい幼生も結構いました。

イボイモリ

実は今回一番見たかった両生類がイボイモリでしたが、結局出会えずじまいでした。

主に林床に生息するイモリで、奄美諸島や沖縄諸島の一部に生息する日本固有種です。

奄美大島では数は少なく、生息も局所的と言われています。

次こそ出会いたい種です。

まとめ

今回、奄美大島の両生類全11種をご紹介しました。

実はここで紹介した種以外にも外来種として、アフリカツメガエルなんかも生息しているようです。

また、紹介した両生類の多くは、夜のドライブで観察することができるので、夜の生き物観察について解説したこちらの記事も参考にしてください。 ⇒ 奄美の夜の生き物を探す方法

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