黒いミシシッピアカミミガメ【メラニズム】

黒いミシシッピアカミミガメ【メラニズム】

ある日、散歩をしていると道路脇の水路に二匹のカメを見つけました。

一匹はよく見慣れたミシシッピアカミミガメです。

最大の特徴である、眼の後方の赤い模様が目立ちます。

ではもう一匹の黒い個体はなんでしょう?

遠かったためぱっと見てすぐに判別できませんでしたが、イシガメの特徴である甲羅後縁のギザギザもなく、クサガメの特徴の3本キールもありません。

撮影した画像をアップして、「あ、ミシシッピアカミミガメの黒化個体だ」と気づきました。

突然変異ではありません。

実はミシシッピアカミミガメの雄は成長すると黒化することがよくあるのです。

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ミシシッピアカミミガメとは

ミシシッピアカミミガメのベビー
ミシシッピアカミミガメのベビー

ミシシッピアカミミガメはもともと北アメリカ原産の外来種です。

一時期、ミドリガメの愛称でペットとして大量に輸入され、それらが野生化したものになります。

日本のあらゆる川や池に住み着き、在来種を脅かしている生き物になります。

その名前の由来にもなっている、眼の後ろが赤いことが特徴の一つです。

黒いミシシッピアカミミガメの発見

ミシシッピアカミミガメの黒化個体
ミシシッピアカミミガメの黒化個体

今回、近所の水路を散歩していて、日光浴をしているミシシッピアカミミガメの黒化個体を見つけました。

実はミシシッピアカミミガメの雄は、成長に伴い頭や足が黒くなることが知られ、黒化やメラニズム化などと呼ばれます。

特徴の赤い模様がなくなってしまうことから、イシガメやクサガメと見間違えられることも多いと聞きます。

遠めだとかなり見分けるのは難しいですが、じっくり見ることができれば、甲羅の形、腹面の色模様、顔、足などから見分けることが可能です。

本個体の場合は、3本キールがなく、甲羅後部のギザギザもなく、顔や甲羅の形、目の色などからミシシッピアカミミガメの黒化個体であると判断しました。

黒化について

それではもう少しだけ黒化について考えていきます。

黒化とは

そもそも色が黒くなるとは、どのような現象なのでしょうか。

一般的には、先天的にメラニン(黒い色素)形成量が多い個体をメラニズムと言い、これらの個体は通常個体と遺伝子レベルで違います。

一方で、ミシシッピアカミミガメの黒化は後天的なもので、成熟に伴い、なんらかの体の仕組みが働きメラニン生成量が増加するのではないかと考えられます。

ミシシッピアカミミガメの黒化

なぜ成熟したミシシッピアカミミガメが黒化するのかは、ちらっと調べた感じでははっきりしなかったものの、黒化した雄は雌にモテるということや、攻撃的になるという情報はありました。

雌にモテるために黒化するのか、はたまた、大きくなった個体が黒化するため、結果としてモテるのか、その因果は不明です。

一応、個体の成熟度と黒化には正の相関があるようです。

まとめ

今回はミシシッピアカミミガメの雄は成熟するとともに黒くなることがあるという事例をご紹介しました。

また、黒化について考察しようとも試みましたが、だいぶ不十分ですね。

また、今後調べていくうちに新たなことを学んだら更新しようと思います。

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2021年7月14日生物情報,陸探索カメ,大阪,関西

Posted by lunalion