沖縄探索で出会った生き物⑥~河口域・漁港編~【2020年夏】

ミカヅキツバメウオとナンヨウツバメウオ

5日間の沖縄旅行でたくさんの生き物たちと出会ってきましたが、今回は漁港や干潟、川などで出会った生き物をご紹介します。

実際、沖縄の漁港は魚影が段違いで、漁港を覗くとあちこちに色鮮やかな魚を見ることができました。

また、夜の漁港にも二か所寄ることができたので、沖縄の夜の漁港でどんな生き物が見られるのかを、実際の体験に基づきご紹介します。

さらに川や河口でも沖縄ならではの生き物が観察できたのでついでに書いていきます。

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夕方の漁港

まだ明るい時間の漁港は合計滞在時間20分~30分くらいでしたが、綺麗な魚たちを観察するには割と十分でした。

けっこうどこを覗いても魚がいました。

ただ、沖縄には透明度が低い漁港も多いので、そういった場所では海の生き物が観察しづらくはなります。

今回は沖縄中部の漁港に行ってきました。

セグロチョウチョウウオ

セグロチョウチョウウオ
セグロチョウチョウウオ

漁港で見られるチョウチョウウオの主役と言えばセグロチョウチョウウオでしょう。

本州でも見られますが、希少です。

沖縄では漁港やサンゴ礁で容易に見ることができるので嬉しいですね。

結局、沖縄に行ってもセグロチョウチョウウオはスターでした。

ヒレナガハギ

ヒレナガハギ
ヒレナガハギ

ヒレナガハギは沖縄ではそこらじゅうにいる魚です。

かなり背びれとしりびれが長く、強い黄色味と縞模様も相まって主張が激しく派手なイメージです。

沖縄のサンゴ礁や漁港で良く目にしますが、本州ではレア種です。

チョウハン

チョウハン
チョウハン

沖縄の海はチョウハンも良く目にしました。

漁港では上述のヒレナガハギと一緒に泳いでいました。

チョウハンはナミチョウやツキチョウにも似るチョウチョウウオですが、口先や側面の色の濃さなどから見分けることが可能です。

ミナミハコフグ

ミナミハコフグ
ミナミハコフグ

漁港の水面すれすれにミナミハコフグの幼魚を見つけました。

沖縄まで来てもトップクラスの可愛さを誇る魚です。

ちなみにこの子はミナミハコフグで、本州で多く見られるハコフグは、沖縄には分布しないとも言われています。

ツノダシ

ツノダシ
ツノダシ

画像はかなりぼやけていますがツノダシです。

水深が深いせいです。

非常にかっこいい魚で、一度捕まえて飼育してみたいところですが、素早すぎていまだ捕獲したことがありません。

ヘコアユ

ヘコアユ
ヘコアユ

ヘコアユはロープやガンガゼ針の隙間、流れ藻などにくっついて漂っている姿をよく見ます。

頭を下に向けて泳ぐ独特な魚で、かなり薄っぺらいです。

沖縄ではどの漁港にもいるのではないでしょうか。

集団でいることが多く、一匹が動くとつられてみんな動いていきます。

スジモヨウフグ?

スジモヨウフグ?
スジモヨウフグ?

スジモヨウフグと思われる魚を見つけました。

豆粒サイズで激小です。

岸からだと模様も良く見えませんでした。

カマスの仲間

カマスの仲間
カマスの仲間

カマスの仲間がロープにくっついて浮かんでいました。

たぶん小枝に擬態しているものと思われます。

オニカマスでしょうか?

夜の漁港

夜の漁港は二か所寄りましたが、それぞれ多く見られる魚が全く違いました。

一か所目はツバメウオ類とウミヘビ(写真はありません。)が結構いて、二か所目ではオトヒメエビとヘコアユがそこらじゅうに見られました。

ハナミノカサゴ

ハナミノカサゴ
ハナミノカサゴ

夜の漁港では、昼間とはまた景色が変わり、漁港の岸壁につくハナミノカサゴが目につきました。

夜行性なので、夜に行動し、魚などのエサを丸のみにします。

目立つので見つけるのは容易ですが、強力な毒を持つので触るのは避けましょう。

毒を持つ余裕からか、網をだしても逃げ足は遅く、捕まえるのは難しくありません。

ナンヨウツバメウオ

ナンヨウツバメウオ
ナンヨウツバメウオ

ナンヨウツバメウオは枯葉に擬態して水面にいる魚で、沖縄では比較的多く見られます。

本州でも良く見ることができる魚で、観賞魚としても人気です。

ナンヨウツバメウオについてはこちらで採集・飼育方法をまとめているので良かったら参考にしてください。

なお、水面に浮かんでいてあまり逃げないことが多いので、採集はしやすいです。

極小のナンヨウツバメウオ
極小のナンヨウツバメウオ

今回は指のサイズ程度の極小ナンヨウツバメウオも見つけることができました。

このサイズはめちゃくちゃかわいいです。

ミカヅキツバメウオ

ミカヅキツバメウオ
ミカヅキツバメウオ

ナンヨウツバメウオに次いで沖縄でよく見かけるツバメウオはミカヅキツバメウオです。

背びれとしりびれの長さがナンヨウツバメウオをはるかに凌駕します。

幼魚は本州に流れ着くこともありますが、観察できる機会はめったにありません。

ナンヨウツバメウオ同様擬態しているのか、寝ていたのか、逃げ足はそれほど速くありませんでした。

ちなみにサンゴ礁で近づいたときも触れるギリギリまで近寄ることができました。

ソウシハギ

ソウシハギ
ソウシハギ

夜の漁港のロープにくっついていたのはソウシハギでした。

内臓には猛毒を含むため、食べたら死ぬ可能性があります。

口にしないようにしましょう。

なお、本種は良くロープなどの海中の浮遊物にくっつきます。

おそらく夜寝ている時に流されないようにしがみついているのだと思われます。

ヘコアユ

ヘコアユ
ヘコアユ

本州では見る機会がほとんどなく、沖縄では良くいる魚の代表としてヘコアユも挙げていいのではないでしょうか。

今回、漁港では100発100中で見られました。

細長い魚で薄っぺらいので、網を簡単にすり抜けます。

厚みは薄く、紙みたいです。

しかし、触ると結構硬いです。

上の方でも書いたように頭を下に向けて泳ぐユニークな魚です。

ガンガゼの針の隙間を泳ぐヘコアユ
ガンガゼの針の隙間を泳ぐヘコアユ

ガンガゼの隙間を泳ぐ姿も良く目にしました。

ヘコアユは細長く薄い体を駆使してガンガゼのトゲに逃げ込み、身を守っているようですね。

ウニのトゲに擬態しているという説もあります。

オトヒメエビ

オトヒメエビ
オトヒメエビ

画像はかなりぼやけていますが、この漁港ではあちこちにオトヒメエビがついていました。

まさに覗き込むたびに目に入る状態です。

夜行性で、本州の漁港でも夜の岸壁で目にする機会はあります。

ペアで行動することが多いことや、クリーナーとしても知られます。

タネギンポ?

タネギンポ?
タネギンポ?

夜の漁港で陸地をはねる魚を見つけました。

タネギンポでしょうか。

でも模様が違うような。

沖縄ではミナミトビハゼ以外にもヨダレカケやタマカエルウオなど、陸地を好む魚が生息しています。

オカヤドカリの仲間

オカヤドカリの仲間
オカヤドカリの仲間

漁港近くの海岸にも顔を出してみました。

ある種当たり前となっていますが、オカヤドカリがうじゃうじゃいます。

小さな個体から大きい個体までよりどりみどりです。

ちなみにオカヤドカリは天然記念物なので触ってはいけません。

スナガニの仲間

スナガニの仲間
スナガニの仲間

海岸にはスナガニの仲間もいました。

目が飛び出ていてかわいいです。

河口近くの川

河口近くの川としては、国際通り近くの川と沖縄中部の海に流れ込む手前の川に寄りました。

後者に関しては完全に淡水かもしれません。

ちなみに国際通り近くの川ではサメが目撃されるという話を聞き、探してみましたが、本当にいました。

写真が無いので導入部での紹介になりますが、超危険なオオメジロザメの子供が水面を泳いでいる姿を観察することができました。

ミナミトビハゼ

ミナミトビハゼ
ミナミトビハゼ

ミナミトビハゼは河口や干潟に多く見られます。

国際通り近くの川でもたくさん見かけました。

魚のくせに水が嫌いなのか、基本的に陸地にいて近づくと水の上を跳ねるように逃げて別の陸地に移ります。

目がぴょこんと飛び出ていてかわいらしい魚です。

ヒメツバメウオ

ヒメツバメウオ
ヒメツバメウオ

はじめ見た時にエンゼルフィッシュかと思った魚はヒメツバメウオの幼魚です。

国際通り近くの川を覗くとところどころで観察できました。

ヒメツバメウオは汽水域や時には淡水にも進出する魚で、雰囲気は淡水の熱帯魚感も醸します。

オオウナギ

オオウナギ
オオウナギ

沖縄中部の地図にものっていないような用水路みたいな場所でオオウナギを発見です。

1mは普通に超えるだろう巨体で、泳いでいる魚たちを追いかけまわしていました。

普通のウナギよりはるかにでかいです。

オオウナギは沖縄では広く生息しますが、本州では数が少なく、各地で天然記念物に指定されています。

夜行性ですが、もう夕方だったのでかなり活発に動いている姿を観察できました。

ちなみに味はいまいちだそうです。

ティラピアの仲間

ティラピアの仲間
ティラピアの仲間

オオウナギと同じ場所には溢れんばかりのティラピアの姿が見られました。

日本では外来種で、沖縄ではあらゆる川に居ついて生態系を破壊しています。

なお、味はいいらしく、そこらじゅうにいるので捕まえて食べてみてはいかがでしょうか。

干潟

干潟に関しては場所を明かしてしまうと、東村ふれあいヒルギ公園での観察になります。

ちなみに東村ふれあいヒルギ公園では干潟への立ち入りは禁止されています。

ただ、観察するだけであれば、他のマングローブ林より生き物を観察しやすいかなと思います。

ここではたくさんのシオマネキをはじめとしたカニの仲間やミナミトビハゼなどの魚を見ることができます。

東村ヒルギ公園に関してはまた別途記事にしたいと思っています。

オキナワハクセンシオマネキ

オキナワハクセンシオマネキ
オキナワハクセンシオマネキ

干潟で多く見られるのがオキナワハクセンシオマネキです。

比較的乾いた場所を好むシオマネキで、近づくとすぐに穴に入り込みます。

しかし待っているとすぐに出てくるので観察は容易です。

他のシオマネキ同様、片方のはさみが巨大化しており、白や黄色で、背中は白黒模様をすることが多いそうです。

ベニシオマネキ

ベニシオマネキ
ベニシオマネキ

ベニシオマネキはその名の通り赤いシオマネキで、やはり片側のはさみが大きくなります。

はさみから背中にかけて赤くなりますが、色は個体差が激しく、はさみだけ赤く、背中に模様が入る個体もいます。

日本では南西諸島と小笠原諸島に生息します。

まとめ

今回、漁港や河口で陸の上から観察した生き物をご紹介しました。

沖縄では本州では見られない魚や希少な魚が普通にいるので興奮の連続です。

夜の漁港は寝ている魚がいることも多いので採集にはうってつけですが、危険も多いので気を付けて楽しんでください。

今回の沖縄旅行の他の探索記はこちら↓

①~ヘビ編~

②~トカゲ・カメ編~

③~哺乳類・鳥類編~

④~両生類編~

⑤~無脊椎動物編~

⑥~河口域・漁港編~

⑦~サンゴ礁・磯編~

また、海水魚探索・採集に関する記事はこちらでまとめているので良かったらご覧ください。

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2020年8月27日海探索九州,,死滅回遊魚,沖縄,,

Posted by lunalion