沖縄探索で出会った生き物⑤~無脊椎動物編~【2020年夏】

沖縄探索で出会った生き物⑤~無脊椎動物編~【2020年夏】

沖縄旅行で出会った生物シリーズ第五弾は無脊椎動物シリーズとなり、こちらで陸上生物シリーズはラストになります。

無脊椎動物と言うと何やら分かりにくいですが、昆虫類、カタツムリやナメクジなどの軟体動物、ヤドカリなどの甲殻動物、そしてクモをまとめてみました。

出会った数も種類も他の種類と比べて圧倒的に多いため、本州ではあまり見ない種をメインでご紹介いたします。

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昆虫

サツマゴキブリ

サツマゴキブリ
サツマゴキブリ

沖縄中部の夜の路上ではサツマゴキブリに出会いました。

サツマゴキブリは南西諸島や四国九州の一部に分布するゴキブリですが、近年は少しずつ生息地が北上しており、和歌山、静岡などに国内外来種として移入しています。

その見た目から不快害虫とされています。

ワモンゴキブリ

ワモンゴキブリ
ワモンゴキブリ

ワモンゴキブリは那覇市内をはじめ街中で多く見られました。

大型のゴキブリで、前胸背板に輪のような模様があることからワモン(輪紋)ゴキブリと名付けられています。

沖縄で普通に見られるゴキブリで、低温に弱い種です。

コワモンゴキブリ

コワモンゴキブリ
コワモンゴキブリ

ワモンゴキブリより一回り小さいコワモンゴキブリも那覇では良く見られました。

ワモンゴキブリより小さく、輪の模様がよりくっきり見えることが特徴です。

コワモンゴキブリも寒さには弱いですが、本州でも暖房が付いた部屋など一部で生息しているようです。

トゲナナフシ

トゲナナフシ
トゲナナフシ

本州では比較的珍しいですが、沖縄では割と見ることができるナナフシとしてはトゲナナフシがあげられます。

良く見るナナフシより体ががっちりしていて太く、トゲがあります。

沖縄のやんばる周辺では、木の上はもちろん、夜の路上を歩いていたり、ベンチにくっついていたり、様々なところで見ることができました。

擬態したトゲナナフシ
擬態したトゲナナフシ

捕まえると脚を伸ばして動かなくなりますが、これは擬態かと思われます。

実際、見てみると分かりますが、かなり擬態の完成度は高く、特に幼体の擬態は小枝にしか見えませんでした。

トガリナナフシの仲間

トガリナナフシの仲間
トガリナナフシの仲間

オキナワには2020年現在8種類のナナフシが分布していますが、分類が見直される可能性は高いと言われています。

トガリナナフシの仲間は森や公園の木の葉っぱによくついていますがいまいち見分けは良く分かりませんでした。

オキナワモリバッタ

オキナワモリバッタ
オキナワモリバッタ

沖縄でどこにでもいるバッタと言えばオキナワモリバッタです。

ちょっと森っぽくなっているところであればどこにでもいた印象です。

はねが短く、飛べない分、ジャンプ力に特化しています。

モリバッタの仲間は日本では南西諸島のみに生息し、石垣島や西表島などに亜種が存在しています。

タイワンクツワムシ

タイワンクツワムシ
タイワンクツワムシ

夜の森の中で巨大なバッタの仲間を発見しました。

タイワンクツワムシです。

伊豆半島以南に生息すると言われていますが、温暖化等に伴い徐々に北上しているようです。

ヤンバルクロギリス

ヤンバルクロギリス
ヤンバルクロギリス

やんばるの森でヤンバルクロギリスという黒味の強いかっこいい昆虫に出会いました。

昼間は木のうろなどに隠れ、夜になると行動します。

実は1995年に新種登録されたばかりのやんばる固有種です。

コバネコロギス

コバネコロギス
コバネコロギス

沖縄の低木の葉の上には良くコバネコロギスを見かけました。

コバネコロギスは翅が退化しており、触覚が非常に長いことも特徴です。

一応本州南部でも生息する種になります。

ズングリウマ

ズングリウマ
ズングリウマ

やんばるのトンネル内ではズングリウマを発見しました。

南西諸島に生息するカマドウマの仲間で、夜の森林などで目にすることができます。

オキナワマツムシモドキ

オキナワマツムシモドキ
オキナワマツムシモドキ

オキナワマツムシモドキという南西諸島に生息するマツムシモドキも出てきました。

路上にいたのでラッキーでした。

片足がない個体です。

ダイトウクダマキモドキ

ダイトウクダマキモドキ
ダイトウクダマキモドキ

ダイトウクダマキモドキは南西諸島に分布するツユムシの仲間です。

樹上性ですが地面の上で見つけました。

ちなみにクダマキとはクツワムシのことです。

マダラコオロギの幼虫

マダラコオロギの幼虫
マダラコオロギの幼虫

夜になるとあちこちの葉の上でマダラコオロギの幼虫が姿を見せ始めました。

もう少し立つと成虫になり、冬の間まで成虫が観察できます。

奄美以南に分布する種です。

ナナホシキンカメムシ

ナナホシキンカメムシ
ナナホシキンカメムシ

沖縄で有名な昆虫と言ったらナナホシキンカメムシがあげられます。

キラキラ美しく、派手なカメムシです。

画像は、夜に葉の裏で休んでいた個体です。

一匹いたら近くにもっといる可能性が高いです。

アカホシカメムシの幼虫

アカホシカメムシの幼虫
アカホシカメムシの幼虫

やんばるの木の幹でアカホシカメムシの幼虫を見つけました。

成虫とは異なり、かなりコミカルな模様をしています。

まるでお絵かきで描いたような模様です。

アカホシカメムシは南西諸島に生息するカメムシの仲間になっています。

オキナワクワゾウムシ

オキナワクワゾウムシ
オキナワクワゾウムシ

宿の近くを散歩していたら、雑草にオキナワクワゾウムシがくっついていました。

名前にオキナワとつくように、南西諸島の固有種です。

沖縄では割とよく目にすることができる種類だそうです。

オキナワオオミズスマシ

オキナワオオミズスマシ
オキナワオオミズスマシ

沖縄の水辺では本州では見られない巨大なミズスマシが観察できました。

沖縄本島やその周辺の島にのみ生息するオキナワオオミズスマシといいます。

やんばるの渓流で背側を水面に出して泳いでいました。

アヤムネスジタマムシ

アヤムネスジタマムシ
アヤムネスジタマムシ

アヤムネスジタマムシは南方系のタマムシで、南西諸島をはじめとし、紀伊半島や四国・九州の南部でも見られます。

良く知られるヤマトタマムシに比べれば地味かもしれませんが、十分美しいですね。

オキナワハンミョウ

オキナワハンミョウ
オキナワハンミョウ

本州に生息するナミハンミョウによく似たオキナワハンミョウはやんばるの路上をよく飛んでいました。

良く見るととても美しい体色をしています。

しかし、路上では小さいこともあり意外と目立ちません。

夜に葉の上で休むハンミョウ
夜に葉の上で休むオキナワハンミョウ

夜には葉の上で休むことが知られますが、そのシーンも目撃することができました。

昼間はとてもすばしっこく、近づくとすぐに逃げていたオキナワハンミョウが、夜はどれだけライトを当ててもピクリともしませんでした。

ぐっすりですね。

リュウキュウハグロトンボ

リュウキュウハグロトンボ
リュウキュウハグロトンボ

琉球を代表するトンボと言えばリュウキュウハグロトンボでしょうか。

やんばるの森の中で見かけることができます。

光沢のあるメタリックなグリーンの輝きが美しかったです。

翅の黒・青とのコントラストもいいですね。

美しいのはオスで、メスは茶色く地味なカラーとなります。

リュウキュウルリモントンボ

リュウキュウルリモントンボ
リュウキュウルリモントンボ

リュウキュウハグロトンボと並んで、やんばるの渓流で見られるトンボがリュウキュウルリモントンボです

胸に瑠璃色の紋があることからリュウキュウ「ルリモン」トンボと呼ばれます。

小さいので良く見ないと分かりませんが、瑠璃色がかなり美しいです。

リュウキュウアブラゼミ

リュウキュウアブラゼミ
リュウキュウアブラゼミ

本州で見られるアブラゼミの先祖的なセミがリュウキュウアブラゼミです。

南西諸島の固有種で、森で良く見られました。

カタツムリ・ナメクジ

アフリカマイマイ

アフリカマイマイ
アフリカマイマイ

オキナワはカタツムリが多く、夜にもなると雨が降ってなくてもそこら中にいますが、特筆すべきはアフリカマイマイでしょうか。

日本では、南西諸島や小笠原諸島の一部の暖かい地域に分布しますが、外来種です。

もともとは食用で持ち込まれた個体が野生化し、爆発的に増加し、今では沖縄のあちこちで見られるようになってしまいました。

広東住血線虫の中間宿主としても知られ、寄生され、好酸球性髄膜脳炎を発症すると死に至ることもあります。

触ることはもちろん、アフリカマイマイの通り道に触れることも避けたほうが無難です。

世界最大級のカタツムリです。

アシヒダナメクジ

アシヒダナメクジ
アシヒダナメクジ

夜の沖縄では真っ黒のかっこいいナメクジを見つけました。

アシヒダナメクジという殻のない巻貝の仲間です。

日本では南西諸島に分布し、アフリカマイマイ同様広東住血線虫の中間宿主となります。

ヒラコウラベッコウガイ

ヒラコウラベッコウガイ
ヒラコウラベッコウガイ

東南アジアに分布する外来種、ヒラコウラベッコウガイも見られました。

ナメクジのようにも見えますが、薄い殻を持ちます。

画像の黄緑っぽい色の部分ですね。

なかなかこの黄緑の殻が美しいです。

ヤドカリ・カニ

オカヤドカリ

葉に登るオカヤドカリ
葉に登るオカヤドカリ

沖縄はオカヤドカリ天国で、海岸の近くに行けばたくさんのオカヤドカリが見られます。

しかし実はこのオカヤドカリ、国の天然記念物に指定されているため、触るのは違法です。

日本では7種類が生息し、種類によっては海岸から離れた場所で見ることがあります。

やんばるの高地ではアフリカマイマイの殻に入ったオカヤドカリにも出会いました。

オカガニの仲間

オカガニ
オカガニ

オカヤドカリがいればオカガニもいます。

夜行性で、川の近くを運転すると路上によく出てくるため、轢かないようにゆっくり運転しましょう。

クモ

オオジョロウグモ

オオジョロウグモ
オオジョロウグモ

沖縄のあちこちで巨大な巣をはっている巨大蜘蛛を見ますが、これはオオジョロウグモです。

足を含めると20cm近くにもなるこのクモは、時に2mの巨大な巣をはります。

狭い道なら完全にふさがってしまうサイズです。

日本最大のクモで、時に鳥まで捕食します。

オオハシリグモ

オオハシリグモ
オオハシリグモ

オオジョロウグモに負けない大きさを持つクモが沖縄にはいます。

それがオオハシリグモです。

体重勝負ならオオジョロウグモ以上です。

夜の水辺で観察できました。

まとめ

今回、沖縄で出会った無脊椎動物たちを紹介しました。

だいぶ量が多くなってしまったので、紹介は一部に留めています。

チョウやガの仲間、オオゲジ、ムカデなどはひとまず省いています。

また、気が向いたら追記していきます。

今回の沖縄旅行の他の探索記はこちら↓

①~ヘビ編~

②~トカゲ・カメ編~

③~哺乳類・鳥類編~

④~両生類編~

⑤~無脊椎動物編~

⑥~河口域・漁港編~

⑦~サンゴ礁・磯編~

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2020年8月26日陸探索九州,沖縄

Posted by lunalion